返金SMSに混じって、決済サービスを騙るメールまで送られてくる始末……
便乗フィッシングメールが大量に到着……
思わずヒヤッと肝が縮こまるような、ネットにまつわる体験談を紹介するこの連載。今回は「某キャリアからの返金メッセージでヒヤリ」というお話です。
返金お知らせメッセージがたくさん来てヒヤリ！
夏に起きたauの通信障害、自分も影響を受けました。その後、返金のお知らせがSMSで送られてくると聞いてワクワクして待っていたところ、届きました。10通以上。もはや本物と偽物の区別を付ける気も起きません。どさくさに紛れて、件のキャリアのキャッシュレス決済サービスを騙るSMSまでありました。使ってないよ……。
今回のヒヤリ案件は、2022年夏に発生した大手キャリアの通信障害に伴う「返金」についてのお話です。とはいえ、投稿者さんは「ヒヤッ」というより、ウンザリしているようです。
2022年7月2日から約3日間、全国規模でauの音声通話やデータ通信が困難になる通信障害が発生しました。最近ではスマホを使った決済手段も多いため、日常生活に影響が及んだ人も少なくなかったことでしょう。
そんな障害に伴ってauは「24時間以上連続してすべての通信サービスが利用できなかったユーザー」に向けて「基本使用料の2日分」を、そして「すべての契約者」に「200円」を返金すると発表。該当するユーザーへの連絡にはSMSが使われることも合わせて発表されました。
返金を受けるのはユーザーとして正当な権利です。具体的に迷惑を被ればなおさらのこと。投稿者さんのように“ワクワク”する気持ちになるのも頷けるというものです。ただ、そこに真偽不明の類似メッセージが大量に届いてしまったことで、ワクワク感は失せてヒンヤリした気持ちになってしまったのでしょう。ヒヤリとまでは行かなくても、残念なお話です。
auが返金対象者にSMSでメッセージを送ることを発表した当初から、悪意ある人たちの暗躍を危惧する声はありました。本物の返金メッセージと誤解させるようなSMSを捏造し、フィッシング詐欺を目論みることは確実だからです。今回の返金メッセージについてはSMSだけではなく、メールで偽りの返金連絡をする詐欺すらあったようです。
いずれにせよ、悪意ある人たちが不特定多数に送り付ける返金メッセージには、「返金のためにユーザー確認が必要」「返金先のクレジットカードを登録せよ」など、ユーザーの個人情報を盗み出そうとする一文が入っています。メール本文にはURLが含まれていて、そこにアクセスさせることでフィッシング詐欺を実行するのです。
こういった通信キャリア系を装ったフィッシングメールは、通信障害の有無に関わらず送られて来ます。冒頭の画像は「au PAY」の停止を騙るフィッシングメールです。投稿者さんも便乗フィッシングメールを受信してウンザリしているようですね。
先に触れた通り、スマホはすでに決済手段として多用されていることもあり、サービスが停止するとなれば危機感を感じるのは当然のこと。あなたを慌てさせる文章に出会ったら、まず落ち着いて詐欺を疑うことが最良のフィッシング詐欺対策です。
なお、auは先んじてこのフィッシング詐欺について警戒し、ニュースリリースなどで情報を発信していました。その甲斐あってか、今のところ大きな被害は報告されていないようです。
フィッシングメールのバリエーションはさまざまです。そのなかでも生活に欠かせない通信キャリアに関わるものは、警戒のハードルが下がる傾向にあります。今回の投稿者さんはそのあたりの雰囲気を冷静に察知していたのでしょう。もしかしたらauの警告を把握していたのかもしれません。
通信キャリアから届いたように見えるメール、メッセージが届いても、投稿者さんのように冷静に判断することが大切、というのが今回の教訓となりそうです。
とっておきの「ヒヤッとした話」を教えてください
アスキーのYouTubeチャンネル特番「ネットでヒヤッとした話～アスキー×マカフィー」からスピンアウトした、「思わずヒヤッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介するこの連載。
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