一度定着した利用習慣はそのまま残る
コロナ禍で若者の5人に1人はAmazon利用頻度増、外出制限撤廃でも変化なし
コロナ禍でAmazon利用頻度は増加
コロナ禍でインターネット通販を使うようになった人が多いというが、実際どうなのだろうか。ウブンの「【2022年最新版】コロナ禍前後のAmazon利用実態調査」(2022年8月)を見てみよう。
コロナ禍前は、2~3ヵ月に1回程度Amazonを利用するという回答が一番多かったが、コロナ禍以降は月に1回が最多となった。コロナ禍で利用は増加している。一方、コロナ禍前後でのひと月あたりの購入金額はあまり変化がないようだ。
特に10代~30代の若い世代では、コロナ前よりも利用頻度が増加したユーザーが40代以上よりも多く、軒並み20%以上増えている。なかでも10代の利用頻度増加は30.6%と最も高い。
利便性を感じてAmazon利用は定着
15~29歳の若年層は、ほかの年代と比べてコロナ禍になってから化粧品を購入する傾向が高くなった。SNSなどで化粧品のレビューやPR案件、購入先のAmazonリンクなどが掲載されていることが多いことも影響していそうだ。
また、全年代においてコロナ禍以降、日用品をAmazonで購入するようになっている。外出制限によって、実店舗で購入していたものをAmazonで購入するようになったというわけだ。プライム会員になれば送料無料・翌日配送のサービスが受けられるため、便利に使われている。
男女別に見ると、男性のほうが家電、スポーツ・アウトドア用品、ガジェット・PC関連用品をよく購入する傾向があり、ひと月あたりの購入金額についても男性のほうが高かった。
2022年になってから外出制限は緩和されたものの、利用頻度が減少した人は5%程度に留まった。多くのユーザーが利用頻度に変化はなく、利用し続けている。一度定着した利用習慣はそのまま残り、利便性を感じたユーザーが使い続けているのだろう。
大学生などと話すと、Amazon人気は強い。「便利だし送料無料だから」と、なんでもAmazonで購入している割合が高い。ただしステマレビューが横行しており、同社でステマ排除のために2万件のレビューを削除したこともある、といったことは知らなかった。また、出品者情報をあまり確認せずに購入し、商品が送られてこないなどのトラブルに遭っている割合も少なくなかった。
AmazonなどのECサイトは便利だが、トラブルも起きている。商品の質や適切な価格、送料、トラブル時の補償などを見極めて適切に購入するリテラシーが求められているのだ。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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