週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

音声専用カーナビ「NP1」をロードスター 990Sで1ヵ月以上使ってみえたメリット・デメリット

2022年08月06日 12時00分更新

音声のみで操作・案内できる最新カーナビ「NP1」

 愛車である「ロードスター 990S」に、パイオニアの最新カーナビ「NP1」を装着しました。今回は、約1ヵ月の使用した感想をレポートしてみたいと思います。

 「NP1」は、ただのカーナビではなく、ドライブレコーダーを兼用しており、将来的にはAmazonアレクサとも連携が予定されている、いわば複合機です。しかも、カーナビはディスプレーなしの、音声だけで操作と案内をするというのが特徴です。コネクテッド機能があるので年間使用料がかかりますが(月2800円~本体代込)、その分ドラレコ画像をサーバーにアップして、スマートフォンで確認できるなどの便利さもあります。

音声ガイドで行なうカーナビと、ドライブレコーダー機能を併せ持つパイオニアの「NP1」

 いろいろな機能を持っていますが、今回は特にカーナビ機能に絞って便利だと思ったところ、逆にイマイチかなと思ったところをレポートしたいと思います。

音声認識機能は満足度が高く
案内もわかりやすい

 「NP1」の特徴は、声で操作ができるというもの。音声操作自体は、昔からカーナビに存在する機能でしたが、これまで個人的には非常に悪い印象しかありませんでした。決められた文言(キーワード)を正確に操らないといけないため、使い勝手が悪く、しかも誤認識も非常に多いと思っていたのです。ただし、古いカーナビの音声認識機能の性能が低かったのは、通信機能がなくカーナビ本体だけで音声認識を実施していたのが理由です。

本来は運転席側に設置するところ、視界確保のため助手席側にセット。また、ADAS(先進運転支援システム)系カメラを避けるために、カメラの位置もセンター側ではなく、左側にセットした「NP1」

 一方、「NP1」はコネクテッド機能によりクラウドの力を使えるため、音声認識の精度はスマートフォンなみ。普段、家庭でAmazonのアレクサを使っている筆者としては、十分に満足できるレベルです。

 音声のみのルートガイドは、「2つめの信号を右方向です。このまま右車線を進んでください」というように、指示が具体的で分かりやすいのものとなっています。また、高速道路の左分岐のあるところで、行きたい方向は直進のところ、わざわざ「左車線を走ってください」と案内するので最初はビックリしました。どうも「追い越し車線ではなく、走行車線を走れ」との意味のようですが、一瞬、「分岐の左へ曲がるの?」と迷ってしまいました。

 ところが数週間後に同じシーンに遭遇したところ、今度は「直進してください」しか言わなくなりました。なんと修正が入ったようです。小まめなアップデートができるのもコネクテッド機能を有する「NP1」ならではの魅力でしょう。

スマートフォンのアプリは必須

 「NP1」は、ディスプレーを備えていないかわりに、スマートフォンのアプリ「My NP1」が用意されています。これが非常に便利でした。

「NP1」と連携して使えるスマートフォンアプリ「My NP1」。セッティングやカーナビの補助、ドライブレコーダーの画像確認など必須のアプリとなる

 まず、目的地検索がフレキシブルにできます。「NP1」本体でも声で検索はできますが、目的地名がウロ覚えだったり、地図のだいたいの場所に指定したいときがあります。そんなときはアプリ画面で文字入力や地図を表示させて目的地を探す方が、声でやるより圧倒的にラクで正確です。また、アプリでは目的地までのルートを、距離優先なのか、時間優先なのかと選ぶことができるのもメリットです。

アプリである「My NP1」で事前にカーナビの目的地設定ができる。しかも、「早い」「短い」「安い」ルートを選択することもできる

「NP1」での音声案内中のアプリの「My NP1」の画面は、すっきりとした表示。画面をタップするとマップ画面を選べる

「NP1」の案内中で、分岐点や曲がり角になるとアプリ「My NP1」の画面に、詳細なマップが表示される

「NP1」の案内中に、アプリ「My NP1」の画面をタップすると現在位置を示すマップが表示される

 声だけで目的地設定をしたところ、意図しないルートを案内されたこともありました。たとえば高速道路のSAを目的地に設定したら、上下線を逆に案内されたのです。それ以降ちょっと怖いので、声で設定したとしても念のためにアプリでルートを確認するように。でも、これじゃあ二度手間ですよね。

 結局、クルマに乗り込む前にアプリで目的地を設定するようになりました。それが一番にスムーズでストレスが少ないんですね。

車内の騒音がうるさいロードスターの場合

 続いて「ロードスター 990S」ならではの使用感です。

 「NP1」は、けっこう本体が大きく、運転時に視界の邪魔になるのではないか? という不安がありました。でも、それは杞憂にすみました。慣れてしまえば、ほとんど気になりません。

 ただし、騒音は問題です。「ロードスター 990S」は、ご存知の方もいるかもしれませんが、軽量化のために遮音材が減らされています。そのため端的に「うるさい」んですね。特に高速道路の走行中は車内が騒々しくなります。

「NP1」を装着した直後に往復約1000㎞のロングドライブを実施。高速道路からワインディング、街中などで「NP1」を試した

 ただし、街中を走っているぶんにはほとんど問題はありません。幌を開けていても、それは同じです。ところが、高速道路でペースを上げると、とたんに厳しくなります。本来の運転席側ではなく、助手席側にセットしているのも理由でしょう。それなりの声を張り上げないと、聞き取ってくれないようです。これは幌を開けていても閉めていても同じでした。

 さらに高速道路では突然に「聞き取れませんでした」と、勝手に起動して「もう一度話せ」と繰り返すことがあります。もちろん、こちらからは何も話しかけていません。それでも起動しちゃうんですね。困るものではありませんが、正直面倒くさいと思うばかりです。

 また、ちょっとした段差を超えたときのショックを事故と認定され「録画します」との案内が流れます。これも録画動画が増えるだけで困るものではないのですが、やっぱり鬱陶しい。ロードスターの中でも、足が柔らかく乗り心地がよい「990S」でこれですから、足を固めた場合はもっと頻繁に事故判定されるはずです。覚悟が必要でしょう。

 それと、走行中に最寄りの観光スポットを案内してくれるのですが、その大多数が「夜景のきれいな公園」。そればかりというのも、ちょっとどうかと。まだまだ始まったばかりのサービスですから、もっと案内する内容を充実させてほしいと思うばかりです。

 細かな注文はあるとはいえ、1ヵ月ほど使ってみてのトータルの印象としては、それほど悪くないかなというものです。騒音の大きなところでイマイチなのは、「NP1」というよりも「ロードスター 990S」側の問題ですから仕方ないと諦める必要があります。また「NP1」は端末売り切りではなく、ネットワークで日々アップデートされるのが魅力。時間がたつほど洗練が進むはず。そうした期待も含めて、満足度はまずまずと言えます。

筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう