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ハードはほぼ同じで異なる音傾向を持つ、完全ワイヤレスイヤホン

結局どっちを買うべき!? final「ZE2000」と「ZE3000」を聴き比べる

2022年08月01日 13時00分更新

 7月に発売されたfinalの完全ワイヤレスイヤホン「ZE2000」(実売1万4800円前後)を入手した。昨年12月発売の「ZE3000」(実売1万5800円)に続く製品だ。

ZE2000

 ZE2000はZE3000をベースにして異なるチューニングを施したモデルと言える。ZE3000については過去に詳しく紹介した。外観だけでなく、実は搭載するドライバーはZE3000と同じ自社開発のダイナミック型ドライバー(f-Core for Wireless)であり、特徴の「f-LINK ダンピング機構」も採用されている。では両者の違いはどこに出てくるのか? 明らかにしていこう。


使用パーツや性能は変わらず、音の傾向だけを差別化

 すぐにわかる違いはカラーと価格である。ZE3000はブラック/ホワイト、ZE2000はブラック/アッシュグレイが選べる。また、同じブラックでもZE2000はマット仕上げだ。ZE3000はブラック/ホワイトとも表面がシボ仕上げになっている。価格はZ2000のほうが1000円ほど安い。そのためZE3000が上位機種のように見えるが、結論を先に言うと、両者の性能は同じで音の傾向(チューニング)が異なる兄弟機である。

ZE2000(右のグレー)はすべすべとした手触り、左のZE3000はざらざらとした手触りだ。

 ZE2000とZE3000の両モデルを試してみた。両者の違いは手触りで分かる。マット塗装のZE2000はすべすべとしており、シボ加工のZE3000はザラザラとしている。finalは触感も含めて製品をデザインしているのだろう。

 iPhoneやMacBookと組み合わせて試聴した。まず感じたのは、ZE2000は明るく軽快であり、広がり感のあるサウンドだということだ。ZE3000はそれに比較するとやや音色が暗めで、落ち着いた傾向の音に感じる。ZE2000の音は全体的にZE3000よりも近く、ステージ前の席にいるようだ。

色以外の外見は全く同じと言っても過言ではない。

 帯域バランスはドンシャリというほどではないが、ZE3000と比較すると高域も低域も少し強調されて聴こえる。高域はZE3000よりもキラリと輝きが感じられ刺激はより強い。低域はタイトで抑え気味のZE3000に対して量感たっぷりで、少し強調されている感じがする。

得意な音楽ジャンルはロックやアニソン

 音の個性はこのように異なるので、それぞれ違ったタイプの音楽と相性が良さそうだ。

 ZE2000は明るく軽快でノリが良く、ロックやポップスを楽しむのにいいだろう。ステージに近く聞こえる点もノリの良さに貢献している。低音のパンチを感じるのもロックに向いている特徴だ。量感ある低音、キラリとした高域によってロックやポップを気持ちよく楽しめる。

 一方、ジャズトリオなど、バランスよく録音されたアコースティック系楽曲では、ZE2000のベースラインが少し厚ぼったく感じる。正確な楽器音を聞きたいのであれば、ZE3000の方が楽しみやすいと思う。よりシャープな響きなので、例えば弦の響きなどが鮮明に感じられる。

 ただし、ZE3000は音はシャープな反面、ヘヴィメタルのように、ごちゃごちゃとした曲では、音が刺激的になりすぎて、聞き辛く感じてしまうところがある。こういった曲ではZE2000の方が優しい響きできつさが緩和される。アニソンも録音が硬くて、刺激的なものが多いので、ZE2000の方が聴きやすいと思った。

 MacBookとの組み合わせでは、映画を楽しんでみた。ZE2000の量感ある低音は迫力を感じた。普通のイヤホンにはない歯切れ良くパンチのある低音で明瞭感も高い。結果、俳優の声がとても鮮明に聴き取れる。ここはオーディオ向けイヤホンの面目躍如といったところだ。


ZE2000はオールマイティに音楽の楽しさを引き出せる

 筆者が使い分けるとしたら、音楽を聴き込みたいときにはZE3000、普段聴きにはZE2000といったところだろうか。ZE3000は玄人好みで、ZE2000はより一般受けするコンシューマ向けイヤホンに近い傾向と言うこともできる。

 見た目は似ているZ2000とZ3000だが、音の性格はかなり異なっている。ここは冒頭でも書いたように性能の上下関係ではなく、個性が異なる兄弟と考えたほうがいいと思う。どちらか一機種だけを選ぶのであれば、聴く音楽の好みで決めてはどうだろうか? 筆者はロックやアニソンが好みならばZE2000を勧め、ジャズやクラシックが好みであればZE3000を勧める。

 もちろん予算が許すなら、両方を持っておきたい。そのときの聴き方や気分によって使い分けると言うのも、オーディオフリークらしい楽しみ方である。

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