BTOパソコンメーカー、サイコムは数多くの個性豊かで魅力的なシリーズを展開している。性能と静音性を両立したデュアル水冷PCの「G-Master Hydroシリーズ」に、性能を落とすことなくトコトン静音性を追求した「Silent Master NEOシリーズ」。最近では、あえてBTOの選択肢を絞った「G-Master Veloxシリーズ」(Intel Edition/AMD Edition)で初心者にもアプローチし、ゲーミングPC市場の裾野を広げている。
その個性的なラインアップで、数あるBTOパソコンメーカーの中でもひときわ存在感の大きな会社なのだが、実は従業員は20人ほどと会社の規模は決して大きくない。そのような環境で、いかにして上述の個性派BTO PCシリーズは生まれているのか。その根源には同社が掲げる1つのキーワードがある。それは社員全員が胸に抱く、“Craftsmanship”(職人技)だ。今回は新社屋(埼玉県八潮市緑町)を取材するかたわら、直接現場で働くスタッフにインタビューし、その根源を探った。
徒歩数分の場所に新社屋を新設
製造や修理サポート以外の機能を移管
最初に、サイコムの職場環境を紹介しておこう。以前の社屋は1拠点しかなく、1階が製造やサポート、2階が注文や経理、事務などを行なうスペースになっていた。2階の部屋は8畳くらいしか広さがないにもかかわらず、さらに製品開発の検証などもここで行っていたため、とにかく手狭でなかなか苦労が多かったそうだ。この2階の機能をまるごと新社屋に移動。今は新社屋と工場の2拠点で活動している。
新社屋に移管した機能は見積りや注文処理、モデル開発&PCパーツ検証、Webサイト用の製品撮影、経理、電話接客(購入前相談)など。入り口すぐのフロアに席があり、ほとんどの業務はこちらのスペースで行っている。
会議室は2つ。コロナ禍で従業員全員参加の全体集会はなくなったが、毎週水曜はマネージャーを集めた会議が行われており、そういった会議や打ち合わせなどで使われているそうだ。手前は普通の会議室だが、奥の会議室はYouTubeやTwitchなどで使う動画配信部屋にしようという話もあるとか。
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