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真のゲーミング最強CPU決定戦!! Ryzen 7 5800X3D対Core i9-12900Kを40本のゲームで検証(GeForce編)

2022年08月02日 11時00分更新

Sid Meier's Civilization VI: Gathering Storm

「Sid Meier's Civilization VI: Gathering Storm」ではDirectX 12モードで起動。画質は最高設定、アンチエイリアスはMSAA X8とした。ゲーム内ベンチマーク機能のうち、Gathering StormのGPUベンチマークモードを利用した。出力結果はフレームタイムなのでそこからフレームレートを逆算している。

「Sid Meier's Civilization VI: Gathering Storm」DirectX 12、1920×1080ドット時のフレームレート

 Core i9-12900Kの方がRyzen 7 5800X3Dに対して最低フレームレートで8.8%、平均フレームレートでも5.9%上回っている。RX 6800環境時よりもCore i9-12900Kの方が強く見える。

Tiny Tina’s Wonderlands

「Tiny Tina’s Wonderlands」ではAPIにDirectX 12を選択し画質“バッドアス”に設定。ゲーム内ベンチマークモードを利用してフレームレートを計測するが、最低フレームレート(1パーセンタイル点)はログから算出している。

「Tiny Tina’s Wonderlands」DirectX 12、1920×1080ドット時のフレームレート

 Radeon環境では両者差がなかったが、GeForce環境では一転、Core i9-12900Kが圧倒的な強さを発揮した。Ryzen 7 5800X3Dの強さは組み合わせるGPUによって大きく変わってくるという好例である。

Tom Clancy's The Division 2

「Tom Clancy's The Division 2」はAPIにDirectX 12を選択し画質“ウルトラ”に設定。ゲーム内ベンチマークを再生し、その際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

「Tom Clancy's The Division 2」DirectX 12、1920×1080ドット時のフレームレート

 最低フレームレートにおいてRyzen 7 5800X3Dが4%程度高い値を出しているが、平均フレームレートでは差が出ない。

Tom Clancy's Rainbow Six Extraction

 「Tom Clancy's Rainbow Six Extraction」は画質“最高”をベースに固定解像度設定とした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。

「Tom Clancy's Rainbow Six Extraction」1920×1080ドット時のフレームレート

 RX 6800環境では差があまり出なかったが、RTX 3080環境では一転、Ryzen 7 5800X3DがCore i9-12900Kを圧倒。平均フレームレートでは28.9%、最低フレームレートに至っては75.3%高い値が出たというのは驚く。

Tom Clancy's Rainbow Six Siege

「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」はAPIにVulkanを選択。画質“最高”にレンダースケール100%設定を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。

「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」Vulkan、1920×1080ドット時のフレームレート

 RX 6800環境ではRyzen 7 5800X3Dがより高いフレームレートを出せていたゲームだが、RTX 3080環境ではややCore i9-12900Kの方が微妙に高い値が出た、という程度にとどまる。

VALORANT

「VALORANT」では画質を最高設定とした。射撃練習場における一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

「VALORANT」1920×1080ドット時のフレームレート

 RX 6800環境ではRyzen 7 5800X3Dが“かなり強い(15%向上)”ゲームだが、RTX 3080環境では“強い(10%向上)”程度にとどまる。ただ最低フレームレートはCore i9-12900Kを28%も上回っており、Ryzen 7 5800X3Dの方より安定したプレイ環境が期待できそうだ。

Watch Dogs: Legion

「Watch Dogs: Legion」ではAPIにDirectX 12を選択し、画質“最大”に加え精細度も100%(最大)とした。ただしレイトレーシングはオフとしている。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。

「Watch Dogs: Legion」DirectX 12、1920×1080ドット時のフレームレート

 RX 6800環境ではGPU負荷が高すぎて差が出なかったゲームだが、RTX 3080環境ではややRyzen 7 5800X3Dが高いフレームレートを示している。

Witcher 3: Wild Hunt

「Witcher 3: Wild Hunt」では最高画質に設定。マップ内の一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

「Witcher 3: Wild Hunt」1920×1080ドット時のフレームレート

 Core i9-12900Kが有利なのはRX 6800環境と同じだが、RTX 3080環境では両CPUの差がより縮まっている。

まとめ

 これでRTX 3080環境におけるRyzen 7 5800X3D対Core i9-12900Kの対決は終了となる。どちらがより優秀なCPUかの判定は、前回と同様にRyzen 7 5800X3Dを基準とした時のフレームレートの増加(減少)率に注目する。即ち「フレームレートで2.0%(小数点第2位を四捨五入)以上の差を付けて勝っているもの」を勝ちとするルールだ。以下の表は今回の検証結果を一覧表としたものだ。

GeForce RTX 3080環境における、Ryzen 7 5800X3DとCore i9-12900K対決の結果。Min/Avgの差や伸び(%)の値はRyzen 7 5800X3Dを基準にしているため、マイナスの場合はCore i9-12900Kが勝っていることを示している

 平均フレームレートにおいて伸び率は関係なくRyzen 7 5800X3DがCore i9-12900Kを上回ったゲームは40本中25本。だが平均フレームレートで2%以上上回ったのは18本だった。その18本中Core i9-12900Kに対し5%以上の差を付けたものは12本。

 RX 6800環境よりもRyzen 7 5800X3Dの勝率は下がっているが、5%以上の差を付けたゲームの本数はRTX 3080環境の方が多かった。今回観測した40本のゲームの中においては、RTX 3080環境だとRyzen 7 5800X3Dの勝率はRX 6800環境よりも下がるものの、Ryzen 7 5800X3Dとハマるものはより突出するようになる、といえるだろう。

 最低フレームレートにおいては実質的に差がない(フレームレート差があっても2%未満)と判断されるゲームは40本14本、Ryzen 7 5800X3Dが勝っている(2%以上)は17本、逆にCore i9-12900Kが勝っているのは9本。こちらもRyzen 7 5800X3Dのコア数やクロックはCore i9-12900Kよりも下であることを考えると、非常に良い結果を出しているといえるだろう。

 以上のことから、GPUをRTX 3080に変更しても、3D V-Cacheはゲームにおいて一定の効果を出していると結論づけることができると筆者は考える。Tiny Tina's Wonderlandsが示すように3D V-Cacheも万能ではないものの、ゲームやGPUとの組み合わせが良ければ非常に高い効果が発揮できる。

 Ryzen 7 5800X3Dは物理8コアなので単純なCPUパワーは(Ryzen 9 5950X等に比べれば)低めであるものの、ゲームの世界においては強力な武器だ。AMDは今後Ryzen 7000シリーズ(Zen 4)においても3D V-Cache搭載モデルを投入するとされているが、ぜひ出し惜しみせずにライバルを完封するつもりで早めのタイミングで出して頂きたいところだ。

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