週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

『ウルトラセブン』& final ZE3000 「ウルトラ警備隊モデル」を聴く

2022年07月21日 09時10分更新

ウルトラ警備隊の人間ドラマにフォーカス?

 コラボレーションに関して円谷プロは柔軟な考えで、相手先のデザインに合わせることが多いという。この製品では、finalが全てのデザインを担当したとのこと。メカ基調などいくつかの案があったが、ウルトラ警備隊のヘルメットと制服にしたそうだ。森氏は製品に対して細かなこだわりが反映されているので楽しんでほしいとコメントした。

右がZE3000。

 ベースモデルのZE3000は、agで経験を積んだfinalが初めて自社ブランドで投入した完全ワイヤレスイヤホン(特別モデルを除く)だった。昨年の12月17日に発売され、実売価格は1万5800円だ。

 有線イヤホンのヒット作「E3000」を連想させる名の通り、ZE3000は完全ワイヤレスイヤホン分野で“音のスタンダード”になるべく開発した製品だ。ANCなしで音質重視のコンセプトにしており、有線イヤホン並みの高音質を得ることが開発目標で、この実現のために様々な試みが取り入れられている。

自社開発の軽量ドライバーを採用、歪みが少なく端正なサウンド

 まず、ZE3000は自社開発・製造の新設計ドライバー「f-Core for Wireless」を搭載。これは6mm径のダイナミックドライバーだが、スピーカーのように独立したエッジがドライバーの振動板周囲に設けられている。これにより軽量化と振動板の動きのスムーズさが両立できているという。

 また完全ワイヤレスにおいて防水性を生かしながら音質を向上させるために内部設計に工夫をした「f-Linkダンピング機構」を採用している。ZE3000が少し大柄の筐体になっているのは、この機構のための音響空間を内部に備えているからだ。

 さらにZE3000ではイコライザーのチューニングについても、まずドライバーユニットを仕上げてそれでできないことをEQで補うという考え方を取っている点がユニークだ。

 ZE3000の音質は極めて高い。刺激的な成分が少なく、なめらかに整った音がする。従来の高音質志向の製品だった「ag TWS04K」との違いもまずそこにある。歪みが少なくすっきりした端正なサウンドで、帯域バランスは整っている。

 実際、有線イヤホンの「A3000」と比較してみても、それほど遜色がない音質に仕上がっている。ただし、A3000は高性能DAPと組み合わせて高音質を狙える。有線とワイヤレスの切り分けは、単純な音質の差ではなく、使い方の違いになっていくのかもしれない。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事