Bluetooth SIGは7月12日、「LE Audio」の規格制定作業が完了したことをブログ上で発表した。
以前の記事でも少し触れたが、Bluetooth 5.2に対応しているデバイスでLC3のデコード機能を有していれば、基本的にはLE Audioを使用する条件は整っている。しかし、スマートフォン側ではハードウェア部分だけではなく、上位階層となるソフトウェアの規格決めが残っていた。この部分まで用意ができたというアナウンスだろう。
Bluetooth SIGのCEOであるマーク・パウエル氏は「LE AudioはAuracastと併せてワイヤレスオーディオ市場の領域を広げるものです。この新しい機能は人生を変えるようなオーディオ体験を提供し、友人や家族の距離を縮め、公共の場をより身近で楽しいものにします。LE Audioがもたらすこれらの変革を見守るのが楽しみです。」と述べている。
これまで完全ワイヤレスイヤホンでは、接続安定性のための様々な技術が考えられ、採用されてきたが、LE Audioを使用すれば標準で左右同時伝送が可能となる。また、新しいLC3コーデックを使用すれば、より少ないデータ量でより高音質のワイヤレス音楽再生が楽しめる。これはバッテリーを節約し、再生時間を長くすることもできる。さらに、Auracastと呼ばれる方式により公共空間でのブロードキャストも可能となる。
ワイヤレスイヤホンがインフラとなった現在では、LE Audioを使用するメリットは大きい。
Bluetooth SIGでは「LE Audioをサポートする製品の認証がすでに可能となり、Auracastを含む、LE Audio対応製品が今後数ヵ月のうちに市場に投入され、年末までに台数を伸ばすだろう」と述べている。Bluetooth SIGは、すでにLE Audioの追加機能を市場に提供する作業を進めているという。
2020年のCESで発表されてから長く続いていたLE Audioの規格制定作業。これが終了したことで、新しいBluetooth規格の製品化/実用化の道が大きな一歩を踏み出したと言える。
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