性能はミドルハイ相当でゲームにも満足
最後に性能面を確認すると、Nothing Phone (1)はチップセットにクアルコム製の「Snapdragon 778G Plus 5G」を採用し、メモリーは8GB、ストレージは256GB。性能的にはミドルハイの部類に入る。
実際の性能をベンチマークなどで確認してみると、「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載したハイエンドモデルにはさすがに及ばないが、最近のミドルクラスで主流の「Snapdragon 695 5G」よりは性能が高い。やはりハイエンドとミドルの中間の性能といえるだろう。
それゆえAAAクラスのゲームでグラフィックのクオリティーを標準値から少し上げても比較的快適に動作するし、それでいてものすごく熱くなるというわけでもない。ディスプレーのリフレッシュレートも120Hz駆動に対応していることから、最高峰にこだわらなければゲーミングでの利用も悪くない性能は備えているようだ。
バッテリーは4500mAhで急速充電にも対応。Glyphインターフェースはバッテリー消費を早めがちなように感じるが、元々低消費電力を意識して設計されているのに加え、実際に光っている時間はそれほど長くないことから、バッテリーへの影響はそれほど大きくない印象だ。
また通信に関しては、物理SIM(nanoSIM)×2のデュアルSIM機構を採用。もちろん5Gの通信にも対応している。
一方でIP68の防水・防塵性能やFeliCa(おサイフケータイ)といった、日本向けのカスタマイズはなされていない。Nothing Technology初のスマートフォンであることに加え、Glyphインターフェースやデザインに力を入れているだけに、ハード面でのローカライズは現時点では難しいと考えられ、今後に期待したいところ。
【まとめ】バランスは良いが、詰めの甘さも
まとめると、Nothing Phone (1)は背面の個性的なデザインとGlyphインターフェースの独自性が目を惹くし、その個性が最大の注目要素であることに間違いない。加えて通常のスマートフォンとしての使い勝手も悪くなく、本体サイズや価格面でもバランスが取れていることから多くの人が利用しても比較的満足度は高いように感じる。
近いコンセプトのスマートフォンとして思い起こされるのは、バルミューダの「BALMUDA Phone」だろう。BALMUDA Phoneはデザインのため部材にまで強くこだわり、さらに独自アプリにも力を注いだことで価格とのアンバランスが目立ってしまったが、Nothing Phone (1)は背面デザインに重点を置きながらも、ほかの部分はスタンダードなスマートフォンに近い内容に仕上げ相応な価格に抑えるなど、全体的にあまり無理はしていないことがスマートフォンとしてのバランスの良さにつながっているといえそうだ。
ただ実際に使ってみると、Glyphインターフェースのカスタマイズの弱さやカメラのシャッター音の大きさ、それに加えてNothing Phone (1)の特徴にもなっているドット調の独自フォントに日本語などが対応しておらず世界観の統一感に欠けるなど、詰めの甘さが目立つ部分もいくつか見られると。継続的な改善にも期待したい。
「Nothing Phone (1)」の主なスペック | |
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ディスプレー | 6.55型有機EL(20:9)120Hz対応 |
画面解像度 | 1080×2400ドット |
サイズ | 約75.8×159.2×8.3mm |
重量 | 193.5g |
CPU | Snapdragon 778G+ 2.5GHz+2.4GHz+1.8GHz |
内蔵メモリー | 8/12GB |
内蔵ストレージ | 128/256GB |
外部ストレージ | ー |
OS | Android 12(NothingOS) |
対応バンド | 5G NR:n1/3/5/7/8/20/28 /38/40/41/77/78 LTE:1/2/3/4/5/7/8/17/18/19/20 /26/28/32/34/38/39/40/41/66 W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19 4バンドGSM |
無線LAN | IEEE802.11ac |
カメラ画素数 | 5000万画素 +5000万画素(超広角、マクロ) イン:1600万画素 |
バッテリー容量 | 4500mAh |
生体認証 | ○(画面内指紋、顔) |
FeliCa/NFC | ×/○ |
防水/防塵 | ×/×(IP53) |
USB端子 | Type-C |
イヤホン端子 | × |
カラバリ | ホワイト、ブラック |
価格 | 6万9800円 |
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