注目の「Glyph Interface」とは?
Nothing Phone (1)の最大の特徴は、やはり「Glyph Interface」だろう。これは背面に仕込まれた974個のLEDライトを用いた「Glyphライト」を光らせ、それをさまざまな用途に活用するものである。
代表的な使い方は着信などの通知で、通話着信の場合、設定した着信音によって光る場所や光り方が変わる仕組み。相手によって着信音を変えられることから、光によって誰からの着信か分かるよう設定できるほか、「Flip to Glyph」を設定してから背面を上にして置いておくと、通知時に音が鳴らずGlyphライトだけが光り、静かに通知が受けられるといった仕組みも用意されている。
また「充電メーター」をオンにしておくと、充電時に下部のライトが光り、光でバッテリー残量を示してくれる。背面を上にした状態でも充電度合いを知ることができるので便利だ。
ただ、Glyphインターフェースを使ってみて気になったのは、1つに光り方は点滅が主で、フェードイン・フェードアウトするような優しい光らせ方は用意されていないこと。そしてもう1つはGlyphライトのカスタマイズ性が弱いことで、たとえば自宅で充電している時はインテリアとして使えるよう、自由に光らせる機能なども欲しかった。
なお、Glyphインターフェース以外にも独自の要素はいくつかあり、その代表例となるのがレコーダーアプリだ。Nothing Phone (1)はアプリの数を可能な限りAndroid標準の最小限のものに減らし、シンプルさを追及する一方で、Android標準では提供されていないボイスレコーダーアプリを独自に用意している。
ボイスレコーダーアプリの機能自体は、音声を録音するだけと非常にシンプルで、AIによる文字起こしなどの高度な機能がある訳ではない。だがテープレコーダーをイメージさせるデザインとアニメーションを活用することで、録音・再生時の楽しさが演出されているのは特徴といえる。
カメラは2眼、撮影時の明かりにGlyphライトを活用できる
続いてカメラを確認すると、Nothing Phone (1)は広角カメラと超広角カメラの2眼構成で、どちらも画素数は5000万画素。ただし使用しているセンサーには違いがあり、広角カメラはソニー製の「IMX766」で、F値は1.9。超広角カメラはサムスン電子製の「ISOCELL JN1」で、F値は2.2だ。
イメージセンサーの違いもあってか、実際に撮影して比べてみると双方の写真の色合いや表現などにはやや違いがある。撮影にこだわるならば、色合いの違いを考慮しての使い分けが求められるだろう。
なお、超広角カメラはマクロカメラとしても活用でき、画素数も高いことから至近距離で被写体を撮る際には有効活用したい。
カメラの機能はシンプルで、ポートレートやスローモーション撮影、パノラマ撮影など基本的な要素は抑えられているが、特筆すべき機能がある訳ではない。この辺りはデザイン以外の部分をシンプルにまとめることに力を注いでいる、Nothing Phone (1)の考え方が影響しているといえそうだ。
一方で、特徴的な要素となるのが撮影時の明かりである。先にも触れた通り、Nothing Phone (1)のGlyphライトは撮影時の明かりとしても活用でき、通常のフラッシュとは異なり白い光で全体を明るく光らせられることから、被写体にフォーカスするのではなく全体を自然な形で明る撮影するのに活用するのが良さそうだ。
またNothing Phone (1)は、夜景を明るく撮影する、いわゆるナイトモードにも力が入れられている。実際に撮影してみたところ、フラッシュやGlyphライトを使うより明るく自然な撮影ができるが、一方で撮影には必ず4秒カメラを固定しておく必要があるため、使う場面はやや選ぶ印象だ。暗い場所を明るくする手段が充実しているだけに、それぞれの特性を考慮しながらシーンに応じてうまく使い分けるのがいいだろう。
なおフロントカメラはソニーの「IMX471」センサーで、1600万画素でF値が2.45と標準的。ポートレート撮影時は背景をぼかせるだけでなく、いわゆるビューティー機能も用意されているので有効活用したい。
ただカメラ機能全体で気になった点として、シャッター音がかなり大きいことが挙げられる。ほかの国内向けスマートフォンと同様、シャッター音を消す機能は用意されていないだけに、あまり大きな音を出したくないシーンで撮影する上でも、シャッター音はもう少し抑えめにしてほしいというのが正直なところだ。
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