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凸版印刷、農産物の生産者と宿泊施設や介護施設、飲食店など地域の顧客をつなぎ生産情報と需要情報をマッチングするプラットフォーム「ジモノミッケ!」

2022年07月11日 19時30分更新

 凸版印刷は7月11日、農産物の生産情報と需要情報をマッチングするプラットフォーム「ジモノミッケ!」を発表した。

 地方都市における食品流通は、大都市への優先的な供給や一般消費者向け流通サービスの台頭により、地元への流通・供給量が年々減少している。また、地方での農産物流通では、電話やファックスなどアナログな手段を介して取引されているため、実際の供給と需要を定量的に把握することが困難。そのため、実需者は、地元産の新鮮な農産物を手に入れづらく、都市部を経由し入荷される過剰コストのかかった農産物を購入せざるを得ない。その一方、生産者にとっては、こだわりをもって生産した農産物もコモディティー品と一緒に扱われてしまい、都市部への流通コストがかかることを前提にした価格で取引されてしまうため、高収益化へのシフトがしにくいという現状がある。

 ジモノミッケ!は、農産物の生産者と宿泊施設や介護施設、飲食店など地域の顧客(以下、実需者)を専用のアプリ上でつなぎ、地域内の供給情報と需要情報を可視化し、農産物流通の最適化を「デジタル」と「サステナブル」の両面から支えるプラットフォームだという。

 生産者は「供給(サプライ)情報」、実需者は「需要(デマンド)情報」をPCやスマホから少ないアクションで登録できる。また、「入札」(デマンド情報への生産者からのリアクション)や「落札」(サプライ情報への実需者からのリアクション)などマッチングの状況はリアルタイムで確認できる。

ジモノミッケ!実需者用画面例(デマンド情報に関するタイムライン表示)

ジモノミッケ!実需者用画面例(登録したデマンド一覧)

 マッチング後は、指定日時に専任の配達員が生産者の軒下で農産物を集荷し、AIルーティング機能により算出された最適なルートを通って実需者に納品。無線通信タグを貼付したコンテナによるトレーサビリティー・温度管理ができる仕組みを導入し、安全な物流体制を構築するという。

 このほか、開発段階の機能として「最適な取引相手を自動マッチング」「都市OSを介したデジタル地域通貨との連携」などが予定されているという。

 また、会津若松市にて7月11日~9月30日の期間、会津若松市および近隣地域の農産物生産者30社、宿泊施設、介護施設、飲食店、食品加工業者、小売店などの30社が参加する実証事業「食農需給マッチングプラットフォーム実証」を実施する。

「プレ実証」(6月27日~7月10日)中の様子(生産者から農産物を集荷:写真左、実需者に納品:写真右) ©TOPPAN INC.

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