山根博士のグロスマレビュー
画面埋め込み式カメラは確実に進化した! ZTE「AXON 40 Ultra」は画面が目一杯使える
ハイエンドのスペックに
存在感を消すことに成功したアンダーディスプレーカメラ
ZTEのAXONシリーズはカメラを強化したハイスペックなスマートフォンだ。最新モデル「AXON 40 Ultra」はメインに高性能なカメラを搭載するだけではなく、フロントカメラをディスプレーに埋め込んだ「アンダーディスプレーカメラ」を採用している。
AXON 40 Ultraは6.8型(2480×1116ドット)、120Hz駆動の有機ELディスプレーを搭載している。パッと見てすぐに気がつくのは一般的なスマートフォンに見られるフロントカメラが見えないこと。アンダーディスプレイカメラの搭載によりディスプレー全体を表示エリアとして使うことができるのだ。角を落としたエッジディスプレーを採用しているためベゼル幅も狭く、コンテンツ表示時はより高い没入感が得られるだろう。
背面はマット感があり、ざらつきのある仕上げのように見えるが、触れてみると平滑感が高く指紋の跡も目立たない。高級カメラのような落ち着いた印象もあり、カメラを強化したスマートフォンにふさわしいデザインに仕上がっていると言える。カメラは6400万画素のメインカメラを縦に3つ並べており存在感も示している。
本体側面は右側にボリュームボタンと音量調整ボタンを配置。側面から見るとカメラ部分は台座とレンズ、2段階にでっぱっている。エッジディスプレーのため側面は丸みを帯びており、握り心地は良い。ディスプレーの誤タッチもなく使うことができる。
本体下部にSIMトレイ、USB Type-C端子を配置。なおスピーカーはステレオで本体下部と上部、同じ位置にスリットが開いている。
最大の特徴であるアンダーディスプレーカメラは、まったくと言っていいほど目立たない。角度を変えてもディスプレー上部にカメラが埋め込まれているようには見えないのだ。世界初のアンダーディスプレーカメラを搭載したZTE製の「Rakuten BIG」はディスプレーを傾けると上部中央が四角くモザイク状になっておりカメラが埋め込まれていることを認識させたが、AXON 40 Ultraは一切それを感じさせない。
本体サイズは約73.5×163.2×8.4mm、204g。6.8型ディスプレーモデルとしては比較的軽量で横幅もスリムだ。また、背面はつるつるしており触り心地がよい。カメラとして使ってみると、ほどよいサイズ感で握りやすいと感じられた。ただ滑り心地がいいため、うっかり落下してしまったときのためにもケースはつけたほうがいいかもしれない。
OSはAndroid 12をベースにしたZTE独自の「MyOS 12」を搭載している。ベンチマークの結果はGeekbench 5のシングルコアが1213、マルチコアが3363、AnTuTuが915501だった。Snapdragon 8 Gen 1搭載モデルとして十分な性能を発揮できているといえる。
カメラは3眼だが望遠は91mmという珍しい構成
カメラは一般的なスマートフォンとは異なった特徴ある組み合わせとなっている。6400万画素のカメラを3つ搭載しているが、標準カメラは焦点距離35mmでF1.6、光学手振れ補正も搭載している。超広角は16mmのウルトラワイドでF2.4、そしてもう1つの望遠は91mmでF3.5を搭載する。一般的には26mm前後の広角カメラをメインにしているが、AXON 40 Ultraはより焦点距離を長くし、ポートレートに適したものとしている。望遠カメラの望遠性能は26mm比率で3.5倍としている。
そしてフロントカメラは前述したように1600万画素のアンダーディスプレー方式を採用。フロントカメラを起動しても、プレビューは全画面表示とならないため、パンチホールカメラが現れる様を見ることはできない。この状態でディスプレーを斜めにしても、やはりフロントカメラを見ることはできない。フロントカメラの存在を一切意識させないUIにしているようだ。
全体的にボヤっとした感じがなくなった
ディスプレー埋め込み型カメラ
ではさっそく、フロントカメラを使って自撮りをしてみた。屋外と室内で後ろにライトのある状態でも撮影してみた。どちらも顔がぼけ気味になってしまうこともなく、ディスプレーの下にあるカメラで写したとは思えない写真に仕上がっている。室内でやや暗いところでも顔はしっかりと写っており、また後ろ明かりも光がにじむことなく写っている。このあたりはAIを使った補正をしており、人物の輪郭などが強調されているようだ。とはいえこのレベルを見せられると、もうアンダーディスプレーカメラは十分実用的なレベルの技術に達したと理解できるのではないだろうか?
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