YouTubeは、クリエイターや著作権者が公開したコンテンツを自ら保護・管理できるように「著作権管理スイート」と呼ぶ主要な3つのツールを提供している。また、現在のYouTubeには定額制と広告型、両方の動画配信サービスを通じて、著作権者が自身のコンテンツとユーザーが作成したコンテンツ(UGC)の両方から適正な収益が得られる仕組みもある。
YouTubeが開催したオンラインメディアラウンドテーブルで、著作権管理のグローバルプロダクトマネージャーであるファビオ・マガグナ氏が、著作権管理スイートの利用状況や直近の成果を説明した。
YouTubeの著作権管理スイートを構成する「3つの柱」
2022年現在、YouTubeには月間20億を超えるユーザーからのログインがあり、毎分500時間以上の動画がアップロードされている。いま最もメジャーな動画配信プラットフォームであるYouTubeは「クリエイターとコンテンツの権利者、およびユーザーをつなぐプラットフォーム。YouTubeから得られる利益をクリエイターと権利者へ正しく還元することを目指している」とマガグナ氏がポリシーを語った。
YouTubeの著作権管理スイートは誰もが使えるオープンなツールであり、3つのツールを問題の種類や規模に応じて使い分けられることが特徴であるとマガグナ氏が説いている。3つの柱となるツールは「ウェブフォーム」「コピーライト マッチ ツール」「Content ID」。グーグルが得意とするAI・機械学習のテクノロジーも活用しながら、著作権侵害の可能性がある再アップロードコンテンツを検出し、違反利用を防ぐための機能を実装している。
世界80種類の言語で提供されているウェブフォームは、著作権で保護されている動画コンテンツが無断でYouTubeに公開されていることを見つけた著作権者が、削除依頼を手動でリクエストできるブラウザツールだ。個人のクリエイターにも多く利用されている。
コピーライト マッチ ツールは、現在200万人以上のクリエイターが活用しているという自動検出ツールだ。クリエイターはYouTube Studioから、違反の疑いがあるチャンネルに問い合わせをしたり、削除依頼のリクエストを送ることができる。
Content IDは音楽レーベルや映画スタジオ、その他の著作権管理団体など、複雑な著作権管理を必要とするYouTubeのパートナー向けに開発されたソリューションだ。その仕組みについて整理しよう。
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