OLEDではあまり見ない27型、“本物の黒”に”ムラのない白”を堪能できる1台
AKRacingがまさかのPCモニター発売、まさかの4K有機EL、まさかの29万円超え! その実力は?
画像編集をするのにもちょうどいいサイズ感
クリエイターに適しているとうたわれていることもあって、まずは画像編集用途を試してみた。
よく、OLEDパネルは、「黒」の再現性に秀でているといわれる。OLEDで黒を表示する際、素子は発光しないために“本物の黒になる”というのがその理由。その特徴はOLEDを搭載している製品に触れれば、多くの人がすぐに気付く。OL2701においても、OLEDパネル特有の黒の深みは感じられるが、画像編集用途で体感できたのは、むしろ「白」のムラ感の少なさだ。
というのも、「Adobe Photoshop」で画像編集をしていると、白バックを目にする機会がとても多いのである。切り抜いたオブジェクトを一旦、白バックに置いたり、もともと切り抜かれている画像を白バックに置き、左右を塗り足してサムネイルに仕上げたりするからだ。
そういった際に、バックライト方式のディスプレーでは、どうしても画面の端の方に光度のムラを感じることがある。とくにディスプレーの輝度を上げて、スポイトでどこから色味を拾ってこようかと細かく吟味しているようなシーンだ。
ところがOL2701のOELDパネルでは、こうした色ムラはまったく感じられない。これはすべての素子が同一の輝度で発光しているためだが、端から端まで、均一の明るさでどこにも色ムラが感じられない状態の大型パネルは、本当に使っていて気分がいい。27型という、すこし椅子を引いた姿勢になったときに、ちょうど全体が目に入るサイズ感だからこそ、全体の輝度の均一感をより鮮烈に感じられたのかもしれない。
また、輝度が高いことで、日中の明るい日差しが差し込む部屋の中でも、視認性が非常にいいと感じた。これも日照条件や、カーテン・ブラインドの状態によるので一概にいえないが、パネルの輝度が十分でないと、部屋の中でも視認性が著しく悪くなったり、色再現性が悪く感じられることがある(明るい屋外でスマートフォンを見ても同じ現象が起こる)。
参考までに、上の写真は南向きの窓を持つ部屋で、正午より少し前に、太陽光が差し込んできた状態の部屋で撮影したOL2701のパネルだ。輝度はデフォルトの中間ほどで、写真の露出やコントラストはまったく調整しておらず、ホワイトバランスのみを整えている。そして、この写真の印象は、肉眼に非常に近い。OLEDならではの鮮やかで深いコントラストの発色を直接お見せできないことは残念だが、写真越しでも、その優れた色再現性が感じられるのではないだろうか。
OL2701でゲームをプレイすると本当に楽しい
OL2701とPlayStation 5の組み合わせで、ゲームのプレイにも挑戦してみた。選んだタイトルは発売から数ヵ月が経ったいまも世間を賑わせているフロムソフトウェアの「エルデンリング」。というのも、このタイトルのPlatStaition 5版はフレームレートが60fpsで、解像度が4Kなのだ。リフレッシュレート最大60Hz、3840×2160ドット解像度というスペックのOL2701の、ゲーム利用時の性能を評価するのに、ぴったりだ。
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エルデンリングというゲームには、赤くメラメラと燃え上がる炎のゆらめきや、青白い光が鋭く放たれるシーンなど、ファンタジックな描写が数多く存在する。一方で、少し先さえ見えない暗い洞窟や、下に降りるとどうなっているのか分からない、深い落とし穴のような地形、廃墟化し、荒れ果てた薄暗い白など、「黒」という色が、演出上の重要な役割を果たしているポイントが多い。
したがって、OL2701に採用されているOLEDパネルとの相性は抜群だ。パネルの特性が変わるだけで、見慣れた映像の印象も変わり、新鮮な気持ちでプレイを楽しめた。
120Hzや240Hzというリフレッシュレートには対応しないため、FPSの使用に向くと評価できないことは残念だが、世界観にじっくりと浸りたい、オープンワールド方式のアクションRPGなどとは、非常に相性のいいスペックではないかと感じる。
「このサイズ」で「有機EL」、しかも「万人向け」という面白さ
はじめに書いたように、ディスプレーは、AKRacingブランドとしては今回が初めてのジャンルの製品だが、OL2701のディスプレーとしての基本的な性能や外観は、高い品質でまとめられている。
本稿に目をとおしていただいた方なら気づくはずだが、OL2701の特徴や魅力、製品としてのおもしろみは、ほとんど「27型という大型のOLEDパネルを搭載している」という部分に集約される。とにかく、OLEDパネルにしか出せないビビッドで目に飛び込んでくるような色の表現や、深いコントラストを、普段使っているパソコンのディスプレーで楽しみたいと思っている人にとっては、これよりほかはない。
とりわけ、画像編集や映像編集を業務としてこなしつつ、余暇時間にはパソコンで映像配信サービスや動画投稿サイトを利用するという人には、ぜひ使ってみてほしい製品だ。ディスプレーが置き換わるだけで、普段見ているコンテンツの魅力が、一段高まったように感じられるだろう。
(提供:AKRacing)
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