第372回
GIGABYTE「Z690 UD AX DDR4」は何が変わった?
人気Z690マザーがリニューアル! 第12世代CoreにはDDR4とDDR5どっちがいいか再検証
第12世代Core(Alder Lake-S)で自作する場合、メモリーは将来性と帯域に優れるDDR5か、モジュールの選択肢と価格に優れるDDR4のどちらかを選ぶことになる。
DDR4とDDR5は混在できないため、第12世代Coreで組む場合はメモリー規格に合ったマザーを選ぶしかない。もちろん性能も変わってくるが、以前の検証記事「第12世代CoreにはDDR4とDDR5どっちがいい? GIGABYTEマザー「Z690 UD」で検証」で示した通り、たいていの作業においてDDR4とDDR5に大きな差はない。
Lightroom Classicや一部ゲームのパフォーマンスでDDR5がDDR4を大きく引き離す事例が確認できたものの、逆にCPUを全力で回した場合DDR5はDDR4より大幅に消費電力が増えてしまうという結果が得られた。DDR5メモリーモジュールの供給量や価格もかなり改善しているが、現段階ではまだDDR4で組んだ方が費用を抑えられる(ただし将来性を考えるとDDR5が有利なことは確かだ)。
人気Z690マザーの強化モデル「Z690 UD AX DDR4」をチェックする
今回紹介する「Z690 UD AX DDR4」は、前述のDDR5対DDR4の性能比較検証をした時に使用した「Z690 UD DDR4」の上位モデルと言うべき存在だ。マザー全体の装備やデザイン的なものはZ690 UD DDR4とほとんど変わってないが、Z690 UD AX DDR4には802.11ax対応の無線LANが追加されている。
無線LANが追加されただけか……と思うかもしれないが、誰しも有線LANのケーブルをPCのある場所に引き回せるわけではない。さまざまな理由で有線よりも無線LANの方が使い勝手が良い人もいるはずだ。Z690 UD AX DDR4よりも安価なZ690マザーは存在するが、「無線LAN付きZ690&ATXマザー」という点で見ると2022年6月時点で最安となる。

Z690 UD AX DDR4のバックパネルには、Z690 UD DDR4にはなかった無線LAN用のアンテナ端子が増設されている。Z690では安めのマザーではあるが、今時のトレンドである一体型バックプレートをきっちりと採用している点は良い

テスト個体に搭載されていたWi-Fiモジュールはインテル製「Intel Wi-Fi 6 AX200」。Wi-Fi 6ルーターに接続した場合最大2402Mbps(2ストリーム)でリンクできる。ちなみにモジュールの型番はマザーのリビジョンによりAX200/201/211のいずれかになるが、どの型番であっても機能的な差異はない(AX211のみWi-Fi 6E対応だが、国内では対応ルーターがない)
繰り返しになるが、その他の設計的な部分は本製品のベースであるZ690 UD DDR4と共通となっている。すなわちCPUの電源回路は16+1フェーズ、M.2 SSDのヒートシンクは最上段のみ搭載、PCI Express Gen5対応のx16スロットはメタルで強化した設計……といった要素である。第12世代CoreのK付きモデルをカリカリにチューニングしたりストレージを満載するような使い方ではなく、スタンダードなパーツ構成でCPUに無理をさせない範囲で性能を引き出すような使い方をする人にオススメだ。
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