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妊娠うつ・産後うつの兆候を検知するマルチデバイス生体計測システム「HuME(Human Metrics Explorer)」の共同研究開始

2022年06月21日 06時30分更新

 株式会社島津製作所は、2022年6月14日にメロディ・インターナショナル、京都大学、熊本大学とともに「妊娠うつ・産後うつの発症・重症化を防ぐための兆候を検知する技術」に関する共同研究を開始を発表。

 妊娠中・産後に発症するうつは、近年の社会問題になっている。国立成育医療研究センターなどのチームの研究では、産後1年間に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定された母親は10.8%にのぼる。また、2015~2016年に妊娠中から産後1年未満に亡くなった女性の死因は自殺が最多であったという。

 今回の共同研究では、産婦人科の遠隔診療プラットフォームを手掛けるスタートアップであるメロディ・インターナショナルの心拍変動解析技術と島津製作所の心電デバイスを組み合わせることで、妊産婦のうつの発症・重症化の防止を目的にした「自律神経のバランスが崩れる予兆の検知技術(汎用アルゴリズム)」を開発した。

 島津製作所は2020年10月にマルチデバイス生体計測システム「HuME(Human Metrics Explorer)」を開発。「HuME(ヒューム)」は、さまざまな生体信号の複合解析を基にした「感性価値の創出」を目指すプラットフォームであり、心電デバイスは「HuME」の構成技術の1つである。

 これまでに社外の研究機関・企業に「HuME」試用版を提供して、オープンイノベーションによって「HuME」の社会実装を進めてきた。メロディ・インターナショナルおよび京都大学、熊本大学との共同研究に心電デバイスの提供により、その用途をデジタルヘルス領域へも広げる第一歩としている。

 京都府などの協力を得て、2022年2月までに妊産婦、医療従事者、自治体、民間事業者を対象に80件以上のニーズ調査を実施その結果、「妊産婦が自治体や医療機関に相談するきっかけとなるデバイス」の需要を確認し、開発にいたった。2023年末までの共同研究において、妊娠中・産後うつの兆候検知につながる汎用アルゴリズムを構築し、メロディ・インターナショナルによる2024年度のサービス提供開始に向けて協力していくとのこと。

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