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6000円台の価格も魅力! コンパクト&プレーンな自作PCケース「XPG VALOR AIR」はアレンジ自在

2022年06月16日 11時00分更新

文● 鈴木雅暢 編集● ASCII
提供: エイデータテクノロジージャパン

XPG VALOR AIRは、コンパクトなサイズと洗練されたビジュアルを備えた実売価格約6480円のATXケース。RGB LEDやファンを搭載しないプレーンな仕様で価格を抑えている。ブラックとホワイトの2カラーが用意

 ADATAのゲーミングブランド「XPG」から登場した、自作PCケースの新製品「XPG VALOR AIR」は、ATXフォームファクターを採用したエントリー向けの製品だ。

 ラインアップの中でも特にコンパクトなフォルム、強化ガラスのサイドパネル、メッシュデザインフロントパネルを採用した洗練されたビジュアルが特徴。さらに、イルミネーション機能やファンをあえて搭載しないプレーンな仕様とすることで、実売価格で約6480円と買いやすい価格に抑えているのがポイントだ。実機で内容を見ていこう。

XPG VALOR AIRのブラックモデル。メッシュデザインのフロントパネルが印象的だ

こちらはホワイトモデル。明るいイメージで、白を基調にした部屋と相性が良さそうだ

Amazon.co.jpへのリンク(XPG VALOR AIR ブラックモデル)
Amazon.co.jpへのリンク(XPG VALOR AIR ホワイトモデル)

奥行き371mmのコンパクトなボディー
スペースを選ばないのがうれしい

 まずは本体のサイズは、210(W)×371(D)×460(H)mm。以前紹介した同じXPGの「XPG STARKER AIR」(「フロントメッシュでエアフロー強化、“映える”コンパクトATXケース「XPG STARKER AIR」レビュー」、実売価格1万円前後)もコンパクトなケース(215×400×465mm)ではあるのだが、それよりもさらに奥行きが短くて扱いやすい。ATXフォームファクターのPCケースとしてはもっとも奥行きが短い部類に入るだろう。

  XPG VALOR AIR XPG STARKER AIR
サイズ 210×371×460mm 215×400×465mm
カラー ブラック、ホワイト ブラック、ホワイト
シャシー素材 SPCC SPCC
サイドパネル 3mm 強化ガラス 4mm 強化ガラス
対応フォームファクター ATX、Micro ATX、Mini-ITX ATX、Micro ATX、Mini-ITX
拡張スロット数 7スロット 7スロット(垂直2スロット)
ストレージベイ 3.5/2.5インチ兼用×1、3.5インチ×1、
2.5インチ×2
3.5/2.5インチ兼用×1、3.5インチ×1、
2.5インチ×2
標準搭載ファン 非搭載 フロント:120mm×2(XPG VENTO 120)
リア:120mm×1(XPG VENTO ARGB 120)
搭載可能ファン フロント:140mm×2/120mm×3
トップ:140mm/120mm×2
リア:120mm
フロント:140mm×2/120mm×3
トップ:140mm/120mm×2
リア:120mm
搭載可能ラジエーター フロント:360/280/240mm
トップ:240mm
リア:120mm
フロント:360/280/240mm
トップ:280/240/120mm
リア:120mm
フロントパネル メッシュ メッシュ
CPUクーラー高 166mm 166mm
拡張ボード長 335mm
(フロントファン装着時305mm)
350mm
(縦置き時高さ24mm)
電源ユニット奥行き 166mm 160mm
裏面配線幅 23.3mm 22.6mm
前面端子/ボタン USB3.2 Gen1 Type-A×2、マイク/ヘッドフォン端子×1、電源、リセット USB3.2 Gen1 Type-A×2、マイク/ヘッドフォン端子×1、電源、ARGB制御
実売価格 約6480円 約1万円

 シャシー素材はSPCC(一般的な鋼板)。板金はやや薄めだが加工の補強などで必要十分な強度は確保しており、エッジの面取りなどもしっかりされている。左サイドパネルは中身が見える強化ガラスで、こちらも3mm厚としっかりと強度のあるものが使われている。いわゆる“安物感”はまったくない。

サイズは210×371×460mm。奥行きが短く、たとえば机の上に置いても圧迫感が少ない。フロントマスクはメッシュデザイン、サイドパネルは3mm厚の強化ガラス仕様だ

板は薄めだが折り曲げなどによる補強や面取りなどはしっかりとされていて、必要十分な強度はしっかり確保されている

電源ボタンは天面部の手前側。そのほか、リセットボタン、USB Type-A(USB 3.2 Gen 1)が2基、マイク/ヘッドフォン端子がある

若干割り切りはあるものの実用十分な拡張性を確保する

 コンパクトなサイズだけに、拡張性には多少の割り切りはある。フロント側のドライブベイを省略しているほか、ビデオカードの搭載スペースが最長335mm(フロントファン搭載時は305mm)と広くはない。

ガラスサイドパネルを外したところ。内部の奥行きは335mm。下部の電源スペースはガラスパネル側からは見えない構造だ

 この335mmというのは搭載できるカードの長さではなく内部の奥行きの数字であり、搭載できるカードの長さとしては、フロントファンを搭載しない状態で最長290mmくらい、フロントファンを搭載する場合は最長270mmくらいとなるだろう。

 マザーボードベースの裏側に2.5インチベイが2基ある。また、上部に3.5/2.5インチ共用ベイ、下部が3.5インチベイとなるドライブケージが付属しており、これを装着すれば合計で最大5基までのストレージが搭載できる。

上部に3.5/2.5インチ兼用ベイ、内部が3.5インチベイを備えるドライブケージが付属しており、電源スペースの手前に取り付けて使う

 現在のPCシステムでは、ストレージはM.2でマザーボードへ直付けするのが主流。一般的な用途では十分なストレージ拡張性のはずだ。

マザーボードベース裏に2.5インチベイが2基ある。CPUソケット部分は広く空いており、バックプレートタイプのCPUクーラーも楽に装着できる

ベースプレートが手回しネジで外れるのでドライブの取り付けは手元で作業できる

 電源ユニットの搭載スペースの奥行きは、ストレージを最大に搭載する場合は180mm。配線を考慮すると奥行き140mmの製品が無難となる。前出のドライブケージを利用しないならば、奥行き全部が使えるため、大きな電源ユニット余裕を持って搭載できる。CPUクーラーの最大高は166mm。一部の大型クーラー以外ならば問題なく搭載できる。

ドライブケージを取り外した状態。奥行き全部(335mm)が電源搭載スペースとして利用できる。ドライブケージ利用時の電源スペースは180mmで、配線を考慮すると奥行き140mmまでの製品がよさそう

冷却効率に優れたメッシュデザイン、メンテナンス性も良好

 エアフロー効率は最大限配慮されている。フロントマスクとトップは全面メッシュ仕様。電源部や背面部、拡張スロットのブラケットにも通気口が多数開いており、通気性を最大限に確保している。

フロントマスクはメッシュ仕様。サイズの異なる菱形の通気口を開けたデザインが印象的。背面はファンの部分/ブラケットはパンチ加工で通気性を確保している

 フロントマスクとトップ、ボトムにはそれぞれホコリの侵入を防ぐ着脱式フィルターを装着しており、メンテナンスも簡単にできる。このあたりは上位モデルと遜色ない内容だ。

メッシュ仕様のフロントマスクの内側にはホコリの侵入を防ぐ着脱式のメッシュフィルターが装着されている

トップも広範囲にハニカム状の通気口が開けられている。マグネット着脱式のメッシュフィルターも用意されている

 冷却拡張性も確保されている。前面のファン搭載部分は、120mmなら3基、140mmなら2基を装着可能。天面は120/140mmとも2基まで、背面は120mmファンを1基搭載できる。標準ファンは搭載しないが、ファンも自分で選びたい、手持ちのものを流用するという人にはむしろ手間が省けてうれしいはずだ。

前面のファン搭載部分は、120mmなら3基、140mmなら2基を装着可能。最大360mmの水冷ラジエータも装着できる

 また、水冷クーラーのラジエーターについては、前面は最大360mm、天面は最大240mm、背面は120mmまで、それぞれ装着できる。ただし、内部スペースに少々余裕がないデザインなので、水冷クーラーを搭載するとラジエーターとチューブが内部を占有するため窮屈になるのは否めない。120mmくらいのコンパクトな簡易水冷か、ミドルレンジの空冷クーラーで構成するのが無難だろう。

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