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「2025年、ITサービス業界で世界トップ5に入る」NTTデータ本間洋社長

2022年05月30日 14時00分更新

NTTグループの統合によってシナジーを出す

 意欲的な成長戦略の背景には、2022年10月に行われるビジネス向け海外事業のNTT Ltd.との事業統合がある。

 グローバル通信事業を行うNTT Limited(NTT Ltd.)を、NTTから、NTTデータの傘下に移管し、同社を統括する海外事業会社を2022年10月1日に設立。NTTデータが55%、NTTが45%を出資することになる。

 また、2023年7月には、NTTデータを持株会社とし、その傘下に、国内事業会社を新設。今回設立した海外事業会社とともに、エリア別の事業運営体制へと移行することになる。

 事業統合後、NTTデータグループは、売上高が約3兆5000億円、従業員数は全世界で18万人の規模となる。現在、約4割の海外売上比率は、約6割に拡大する。2025年度には営業利益で300億円のシナジー効果を見込んでいるという。

 NTTの澤田純社長(2022年6月下旬に会長に就任予定)は、「NTTデータから、自らの成長戦略のひとつとして、NTT Ltd.の事業統合についての提案があった。両社間で協議を進めた結果、NTTデータとNTT Ltd.の事業を統合することを決定した。新たなNTTデータグループは、ビジネスユーザー向けグローバルデジタルカンパニーになり、NTTグループ全体の成長にもつながると考えた」と述べる。

 一方で、NTTデータの本間洋社長は、「海外事業を統合することで、戦略、提供価値、コスト削減、人材の4点でメリットがある」と語る。

 戦略面では、これまでの2社による連携関係から大きく踏み込み、統合による戦略の一体化を推進。「どんな業種の顧客に対して、どんなサービスを提供するのかが明確になり、同時に、Edge to Cloudや、Connectivityの領域での先行投資やM&Aが可能になる」とする。

 顧客への提供価値では、NTTデータが持つビジネスや業務を深く理解して、高度な技術力で、システムを作り上げる『つくる力』と、NTT Ltd.が得意とする様々な企業インフラや業界インフラを支える『つなぐ力』を組み合わせたトータルサービスを提供でき、クロスセルを進化。独自性と競争優位性を持ったフルスタックでのソリューション開発を進めることができるとした。

 コスト面では、IT基盤の統合やコーポレート機能の統合により、コスト削減効果を見込むという。

 また、人材面ではグローバルレベルでのデジタル人財獲得を加速。「NTTデータグループのつくる力を持ったデジタル人財と、NTT Ltd.のつなぐ力を持ったデジタル人財を結集させることで、お客様への提供価値を高め、企業価値も高めたい」と述べた。

 事業統合によって、データ活用ビジネスの高度化、5GおよびIoT関連ビジネスの創出および拡大などの企業の事業変革に向けた革新的サービスの創出に加え、スマート関連ビジネスの創出および拡大、IOWN技術を活用した革新的サービスのグローバル展開などにより、社会課題を解決する社会変革プラットフォームの創出に取り組むという。

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