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外付けSSDはここまで進化した! 20Gbps対応のADATAの光り輝く高性能外付けSSDを試す&PS5とも接続

2022年05月31日 11時00分更新

高速インターフェイスに対応した外付けSSDが増えてきている。今回はADATAから発売されている20Gbpsに対応したUSB接続の高速SSDを紹介

 USB接続の外付けSSDに高速化の流れが来ている。外付けSSDのインターフェースと言えば、これまでは通信速度が5GbpsのUSB 3.0(USB 3.2 Gen 1)が定番だったが、USB 3.2 Gen 2(10Gbps)やUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応した製品が増えている。

 PC側もThunderbolt 4(USB 3.2 Gen 2互換)やUSB 3.2 Gen 2x2対応のUSB Type-Cポートを備える製品が増えており、高速インターフェースの外付けSSDの本来の性能を引き出せる環境が整いつつある。

 今回は、ADATAから発売されている「SE900G」と「SE770G」、2モデルの高性能外付けSSDを使って、実際にどのくらいパフォーマンスが発揮できて、どういう形で実用的に使えるのか検証した。

テストしたのはADATAの「SE900G」と「SE770G」

USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応する超高速ポータブルSSD「SE900G」

 SE900Gは、インターフェースにUSB 3.2 Gen 2x2を採用するポータブルSSDだ。USB 3.2 Gen 2x2では、データ転送に使う信号線を2倍に増やしたデュアルレーン転送により、20Gbpsの高速転送を実現している。

SE900Gの本体サイズは110.8×66×16.5mm。フットプリントは2.5インチSSDとほぼ同じ(横は少し短く縦に少し長い)

イルミネーション用のクリアパネル以外は放熱効果の高い金属で構成している

 SE900Gのシーケンシャルリード/シーケンシャルライトの公称値はいずれも2000MB/s。PCIe 3.0対応のエントリークラスの内蔵SSDに匹敵、あるいはそれ以上の性能をもつ。

 本来の性能を発揮するには、PC側もGen 2x2(デュアルレーン転送)に対応している必要がある。市販のPCでは対応製品はまだ少ないのが、自作用のマザーボードを中心に端子を持つ製品が増えつつある。

接続端子としてはType-Cを装備。Type-CとType-A両方の接続ケーブルが付属している。隣の小さな穴はアクセスランプ

 RGBイルミネーションが鮮やかに輝くボディーは、放熱効果の高い金属を多用しており、見た目よりはずしっとした重厚感がある。端子はType-Cのみだが、Type-CとType-A両方の接続ケーブルが付属しており、変換アダプターなしで新旧の端子に対応できる。

USBからの給電で動作するため別途ACアダプターなどは不要。接続するとRGB LEDが鮮やかに点灯する

  SE900G SE770G
サイズ 110.8×66×16.5mm 99.5×57.5×18mm
重量 160g 136g
シーケンシャルリード(最大) 2000MB/s 1000MB/s
シーケンシャルライト(最大) 2000MB/s 800MB/s
対応OS Windows、Mac、Linux、Andoroid Windows、Mac、Linux、Andoroid
インターフェース USB 3.2 Gen 2x2 USB 3.2 Gen 2
本体端子 Type-C Type-C
付属ケーブル Type-C、Type-A Type-C、Type-A
保証期間 5年間 3年間

Amazon.co.jpへのリンク(ADATA SE900G)

USB 3.2 Gen 2(10Gbps)に対応する高速ポータブルSSD「SE770G」

 一方のSE770Gは、インターフェースにUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)を採用するポータブルSSDだ。公称の最大転送速度は、シーケンシャルリードが1000MB/s、シーケンシャルライトが800MB/s。どちらも400~450MB/s程度のことが多い一般的なUSB 3.0(5Gbps)接続のポータブルSSDよりも格段に高速だ。

USB 3.2 Gen 2に対応するSE770G。SE900Gよりも小さく軽量だ

 ボディーは、SE900Gよりひとまわりコンパクトで、端子はこちらもType-Cのみで、Type-AとType-C、両方のケーブルが付属している。RGB LEDのイルミネーションもしっかり用意されている。

裏面は金属パーツで構成されている。ヒートシンクとして放熱効果を高めるため表面積を稼ぐ処理がされている

SE900G同様、USBからの給電で動作するため別途ACアダプターなどは不要。接続するとRGB LEDが点灯する

Amazon.co.jpへのリンク(ADATA SE700G)

ベンチマークでも公称値どおりのスコア、ランダム性能も高い

 高性能外付けSSDのパフォーマンスはどれくらいなのか、パフォーマンスを計測しよう。測定環境は以下の表のとおり。IntelのLGA1700プラットフォームで計測した。

テスト環境

CPU Intel Core i3-12100F
マザーボード ASRock Z690M PG Velocita
SSD XPG S70 Blade 2TB
ビデオカード GIGABYTE GeForce RTX 2060 GAMING 6G
電源 XPG Core Reactor 750 Gold
OS Windows 11 Pro

 SE770Gについては、マザーボード標準のType-C(Gen 2、10Gbps)に接続して計測。SE900Gについては、PCI ExpressカードのType-Cポート(Gen 2x2、20Gbps)と、マザーボード標準のType-C(Gen 2、10Gbps)に接続した場合、両方を計測している。

 まず、定番テストであるCrystalDiskMark 8のスコアから見よう。SE900GのGen 2x2接続時はシーケンシャルリードが2000MB/s超、シーケンシャルライトも1900MB/sと公称値に近いスコアが出ている。ランダム4K(RND4K)のリードも45MB/sと、エントリークラスの内蔵SSDよりも良いくらいのスコアをマークしている。

CrystalDiskMark 8(ひよひよ氏・作)のスコア(SE900G、Gen 2x2接続)

SE900GのGen 2接続でのスコア

 SE770Gについては、シーケンシャルリード/ライトとも公称値を少し上回るスコアをマーク。Gen 2対応のSSDとしては高性能な部類だろう。SE900GのGen 2接続時も似たようなスコアではあるが、全体的に同じインターフェースでのSE770Gよりも良い傾向だ。

SE770GのGen 2接続でのスコア

RAW現像作業では内蔵SSDとほとんど変わらない使用感

 リアルな使用状況を再現したテストも実施した。まずは500枚のRAWデータ(38.1GB、4240万画素)を利用してのコピーテスト。やはりGen 2x2接続のSE900Gの速さが歴然だ。

 Gen 2接続のSE770Gでも38.1GBのファイルコピーを1分そこそこで終わるのだが十分速いといえるが、Gen 2x2接続のSE900Gはさらに速く、2/3くらいの時間でコピーが終わっている。

 Lightroom Classicでは、外付けSSDのデータを置いたまま直接扱った時にどうなるかをテストしてみた。実行したのは以下の3種類だ。

1. 300枚のRAWデータをカタログへ読み込み、プレビューを作成するのにかかった時間を計測
2. 読み込んだ300枚のデータにプリセットの現像パラメータを適用してプレビューを更新するのにかかった時間を計測
3. 現像パラメータを適用した100枚のデータを長辺3000ピクセルのJPEGファイルとして出力するのにかかった時間を計測(出力先はデータと同じSSD)。

(秒) SE900G
(Gen 2x2)
SE900G
(Gen 2)
SE770G
(Gen 2)
システムSSD
エクスプローラ
(RAW500枚コピー、SSD→PC)
33.66 50.9 51.2 ――
エクスプローラ
(RAW500枚コピー、PC→SSD)
46.5 62.9 63.1 ――
Lightroom Classic
(RAW 300枚読み込み、プレビュー作成)
14.1 15 15.6 14.1
Lightroom Classic
(RAW 300枚プリセット適用)
44.6 55.7 55.7 38.1
Lightroom Classic
(RAW 100枚現像出力)
166 166.1 166.1 162

 はっきりと差が出たのは2番目の現像パラメータの適用。Lightroom Classicで現像パラメータを設定すると元ファイルと同じ場所にメタデータ(XMP形式)が作成されるので、そこで差が出ているのだろう。

 Gen 2接続の場合だとシステムSSD(PCI Express 4.0x4)に比べて1.5倍近くの時間がかかっているので多少の影響はあるわけだが、体感的には意識しないとわからないレベルといえる。

大型PCゲームの移動もGen 2x2の高速SSDなら爆速

 ゲームでも実践的なテストをやってみた。具体的には以下のような内容だ。

1. Steamライブラリの設定でレインボーシックス シージのデータ移動(PC→外付けSSD)にかかった時間を計測
2. Steamライブラリの設定でレインボーシックス シージのデータ移動(外付けSSD→PC)にかかった時間を計測
3. レインボーシックス シージの起動にかかった時間を計測

 ゲームのデータ移動でもやはりGen 2x2のSE900Gは爆速。58GB以上もあるデータの移動を70秒以下で終えてしまうのだから圧倒的。Gen 2接続ではGen 2x2に比べて1.4~1.5倍くらいの時間はかかるが、それでも2分以下と高速でストレスはない。起動時間はやはりシステムSSDから起動したほうが速いのだが、その差はわずかであり、十分実用的だろう。

(秒) SE900G
(Gen 2x2)
SE900G
(Gen 2)
SE770G
(Gen 2)
システムSSD
レインボーシックス シージ
(ゲーム移動、PC→SSD)
69.2 96.8 95.4 ――
レインボーシックス シージ
(ゲーム移動、SSD→PC)
52.1 76.5 78 ――
レインボーシックス シージ
(ゲーム起動)
57.3 57.4 57.3 56.6

Steamライブラリの設定では外付けSSDもゲームの保存先として指定でき、移動させることができる。今回はレインボーシックス シージのゲームプログラムを移動して時間を計測した

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