デロンギ ラ・スペシャリスタ・プレスティージオ グラインダー付きエスプレッソ・カプチーノメーカー(EC9355J-M)
発売日 2022年6月15日
想定実売価格 16万8000円
デロンギ・ジャパン
https://www.shop-casa-delonghi.com/SHOP/0132126050.html
当方しがないテレワーカー。せっかく毎日家にいるんだからエスプレッソマシンの一台くらいあってもバチは当たりますまい。デロンギの新製品が思いっきり趣味性に振ったモデルだったのでまんまと物欲に火が点いてしまっております。
デロンギ・ジャパンが5月25日に発表したのは「デロンギ ラ・スペシャリスタ・プレスティージオ グラインダー付きエスプレッソ・カプチーノメーカー」。
舌を噛みそうなので「プレスティージオ」と呼びますが、要はグラインダーとミルク泡立て用ボイラーが付いたモデル。全自動マシンと対をなす趣味カテゴリーの最上位機種となっています。
デロンギの中ではこんな感じの立ち位置。
豆を挽き、タンピングをして、エスプレッソを抽出し、泡立てたミルクを注ぎカプチーノを作る。豆の煎り加減に合わせ、挽き目や豆の量を調整して味を探求していくことに喜びを感じるコーヒー好きのための1台、それがプレスティージオとなっています。
デロンギでグラインダー付きのモデルは日本初上陸。ポイントはグラインダーで豆を挽き、そのままタンピングができるところです。
タンピングというのはポルタフィルターという道具に入れたコーヒー粉にハンコを捺すようにして圧力をかけて固めること。エスプレッソ抽出でとても重要な作業です。
通常タンピングをする場合、挽いたコーヒー粉をフィルターに移し、腕を頼りに圧力をかけます。しかしコーヒー粉の表面が水平になるよう強すぎず弱すぎず圧力をかけるのは難しく、ブレが抽出ムラにつながり、私のような素人はがっかりエスプレッソを作ってしまうことになります。
その点、プレスティージオはフィルターをセットするだけで自動的に豆を挽きはじめ、レバーをスロットマシンのようにグイッと手前に引くだけでタンピングが完了。手動なのでやや力がいりますが、誰でもプロ並みの仕上がりに。あとは機械まかせで抽出してもらうだけです。
レバーを引くだけとはいえタンピングは人力なので、電動に比べて圧力を加えやすく、しっかり固められるところもポイントです。
グラインダーの挽き目は8段階で調整可能。挽く時間は機械が挽き目に合わせて自動的に調整します。蒸らし時間も挽き目に合わせて自動的に調整してくれます。
発表会でバリスタの方にプレスティージオでエスプレッソを抽出してもらったところ、黒ビールのようになめらかな泡(クレマ)ができていました。タンピングと抽出がうまくいっている証拠です。
最大圧力は19気圧で、抽出していたときの表示は8気圧程度となっていました。抽出温度は3段階で設定可能です。
カフェラテ用のミルク作りには独立のスチームボイラーを使用。ミルクジャグに牛乳を入れたら、スチーム管を表面につけてチリチリ泡立てます。
やや時間がかかりますがきめこまやかに泡立ったミルクが作れます。
発表会場ではバリスタの馬場健太さんが泡立てたミルクでラテアートを作ってくれました。馬場さんいわくラテアートはエスプレッソとミルクの出来が重要ということ。そこはプレスティージオにまかせられるので、あとは絵心の修業あるのみ。そう言われるとやりたくなりますね。
本体はステンレススチール使用のクローム仕上げ。業務用機的なディテールでそそられます。アナログな圧力計がかっこいいです。
カップ受けは2段階の高さ調整ができて、小さなエスプレッソグラスだけでなく普通のコーヒーカップも使用可能。エスプレッソのお湯割り、アメリカーノも作れます。
サイズは幅385×奥行き370×高さ450m、重量は13.5kg。グラインダーのぶん奥行きがありますがオーブンレンジを置けるくらいの場所があればいけそうです。
付属品はフィルター(1杯用・2杯用)にミルクジャグ、クリーニングピンなどのメンテナンス用品に水硬度チェッカーなど、一通りのものがそろいます。
バリスタの方に製品の説明をしてもらいながらコーヒーについても聞いたのですが、恥ずかしながら初めて知った話が2つありました。
1つは、コーヒー豆は冷蔵庫に入れると湿気でダメになってしまうことがあるのでキャニスターに入れて冷暗所で保管したほうがいいということ。もし長期間飲めない場合は1杯ごとの分量に分けて冷凍したほうがいいということ。思いきり冷蔵してましたわ。
そしてもう1つは、豆の種類や煎り方によってラテにしたときの味わいがまったく変わってくるということ。特に酸味がある豆の場合はラテにしたときの甘味が際立つそうです。普段ブラックコーヒーばかりなので意識しておらず、すぐにでも試してみたくなりました。
プレスティージオ最大の魅力はブレがないこと。手でやった場合、タンピングに失敗すると正解の味が分からなくなります。そこを機械でやってくれるので、あとは挽き目や豆の量、湯温を変えて味を追求するだけ。バリスタの方はコーヒー豆を野菜にたとえてプレスティージオを調理器具のようなものと言っていましたが、コーヒー豆をどう料理するか考える楽しみがありますね。
そう言われると大変そそられるのですが、なにぶん趣味のモデルですので人は選びそうです。
全自動機に比べれば手間がかかり、抽出が終わったあとクッキーのようなカスを捨てるときはフィルターをノックボックスにハンマーのようにガンガン叩きつける音が響きわたります。そして価格も全自動のフラッグシップほどではないですがそれなりの高さです。
いやいやプレスティージオはテレワークの生産性を上げるために必要な設備投資なんだ。長い目で見れば家族全員が得をするんだ。これも広い意味での食育なんだ。6月15日までにそんなエクスキューズを考えておこうと思っています。貴方もおひとついかがですか。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。5歳児と1歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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