山根博士のグロスマレビュー
5G対応でナイトビジョンカメラ搭載で見えない写真が撮れるBlackView「BL8800」
スマートフォンのカメラの進化は目を見張るものがあるが、BlackViewは違う方向性でカメラの性能を引き上げている。それは赤外線を使って暗闇の中も撮影できるナイトビジョンカメラの搭載だ。タフネススマートフォンを展開する同社の製品は、大手メーカーにはないアウトドア仕様の強固なボディーをもつ。最新のBL8800は5G通信にも対応しており、先進国での利用もターゲットにしたパワフルなアウトドアスマートフォンだ。
見るからに頑丈なボディーに身を包んだBL8800は本体サイズが約83.5×176.2×17.7mm、367g。一般的なスマートフォンの倍の厚みと重量だが、その剛性は非常に高い。IP68の防水防塵、IP69Kの高温高圧水耐性、そして米国国防省の調達基準であるMILスペックは一般的なMIL-STD-810Gより最新リビジョンのMIL-STD-810Hに対応。1.5mの高さから落下させても動作に問題はなく、水深1.5mの深さで30分耐えうる防水性を有する。日常生活はもとより、登山やキャンプなどアウトドアで安心して使うことができるだろう。
主なスペックはSoCがMediaTekのDimensity 700、メモリー8GB、ストレージ128GB。ディスプレーは6.58型(2408×1080ドット)、1600万画素のフロントカメラを上部に埋め込んでいる。メインカメラは5000万画素、800万画素の超広角に加え、2000万画素のナイトビジョンカメラを搭載する。バッテリーは8380mAh。
フレームは金属製でねじ止めが見えるなどしっかりとした作り。角の部分はゴムを厚くして衝撃をより吸収してくれる。側面のボタンは手袋をしていても操作できる。なお指紋認証センサーは電源ボタンも兼ねている。
左側面にはプログラムボタンがあり、好きなアプリを登録すればワンタッチで起動できる。またSIMカードトレイはピンを使う必要がなく、爪を使って引き出すことができる。急なSIM交換時にありがたい設計だ。
底面のUSB Type-C端子はゴムカバーでしっかりと保護される。カバーははずしても本体からははずれないので紛失の心配はない。なお、OTGケーブルを使えばほかのスマートフォンなどを充電できる大容量バッテリーとしても使うことができる。アウトドアでは非常に役に立つ機能だ。
価格は定価499.99ドル(約6万4000円)。2022年5月23日から販売開始で、オフィシャルストアでは発売キャンペーンとして249.99ドル(約3万2000円)の割引価格で販売される。最新の販売価格はストアを確認してほしい(BlackView Official Store(Aliexpress)BL8000販売ページ)。
OSはAndroid 11で、独自UI「Duke OS 3.0」を搭載する。Dimensity 700は5G対応のエントリー向けチップセットということもあり、ベンチ結果はAnTuTuが350741、Geekbench 5がシングルコア542、マルチコア1670と妥当な値だった。本体内部には9400平方mmのグラファイトフレークと、2300平方mmの銅パイプベイパーチャンバーを搭載。ゲーム利用に耐えられるよう、放熱効果も高めている。
通信スペックは5Gのn79や、4GのB19に対応している。対応バンドは5G NRがn1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n41/n77/n78/n79、4G LTE(FDD)がB1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B13/B17/B18/B19/B20/B25/B26/B28a/B30/B66/B66、4G LTE(TD)がB34/B38/B39/B40/B41と幅広い。
実際に軽いハイキングの時に本体を持ち出して使ってみたが、ちょっとした小雨の中でも気にすることなく使える上に、小休止するときなどは直接地面の上においても端子に土が入るようなこともないため、安心して使うことができた。背面にはベルト型のストラップも装着できるため、バックパックからぶら下げておけば移動中もすぐに使うことができ便利だろう。普段使っているiPhoneなどのサブ機としてBL8800を持ち運び、アウトドアではメインで使うというのもよさそうだ。
また、BlackViewの製品はアウトドアに便利なToolBagというアプリがプリインストールされている。内容はコンパス、騒音計、気圧計、水準器、分度器、ライトなど。テントを張るときやバーベキュー用のテーブルを設置するときなど、何気に便利なツールがそろっている。さらに緊急時には音や光で周囲に知らせてくれる警告機能もある。バッテリー容量が大きいので警告音もかなり長時間出すことができるだろう。
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