デスクトップPC向けのLGA版と近しいサイズのBGAパッケージ
Core HXシリーズのBGAパッケージは45W版Hシリーズよりも大きく、もはやデスクトップPC向けのLGAパッケージと同程度のサイズだ。強引な言い方をすれば、LGA版のヒートシンクをはがして、そのままBGAパッケージにしたような外観とも言える。そして、LGA版の第12世代Coreも内蔵GPUのEU数は最大32基だ。つまり、Core HXシリーズの素性はノートPC向けのHシリーズよりも、LGA版のデスクトップPC向け第12世代Coreに近いということになる。
プラットフォームもPCH(チップセット)とDMI(PCIe 4.0×8接続)でつながり、PCI Express 5.0をサポートしている点など、デスクトップPC向けのLGA版と似ている点が多い。ノートPCというフォームファクターながら、デスクトップPC並みの性能が求められる、超高性能なゲーミングノートPCやモバイルワークステーション向けというのもうなづける仕様だ。
では、Core HXシリーズはデスクトップPC向けの第12世代Coreに比肩するような性能になるのだろうか? それは実際にベンチマークで比較してみないとはっきりしたことは言えず、比べるモデルにもよるだろうが、なかなかに興味深いテーマではなかろうか。
例えば、Core i9-12900HX(16コア/24スレッド、最大5GHz)のスペックと比べてみよう。LGA版のCore i9-12900(16コア/24スレッド、最大4.9GHz)はProcessor Base Power(PL1)が65W、Maximum Turbo Power(PL2)は202Wと、Core i9-12900HX(PL1=55W、PL2=157W)よりもだいぶ高い。しかし、最大クロックはCore i9-12900HXに分があるので、採用ノートPCの冷却ユニット次第ではおもしろい勝負になりそうだ。
ちなみに、デスクトップPC向けのモデルでも、省電力仕様のCore i9-12900T(Pコア8基、Eコア8基、最大4.9GHz)はProcessor Base Power(PL1)が35W、Maximum Turbo Power(PL2)は106Wだ。つまり、消費電力の許容範囲的にも動作クロック的にも、Core i9-12900HXのほうがはるかに有利だろう。
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