今回のひとこと
「レッドハットといえば、Linuxだと思っていたが、こういうこともやっているのか、という会話が格段に増えた。続く柱はOpenShiftだが、この数年で最も大きな変化はなにかと聞かれたら、間違いなくマネージドサービスの利用拡大だと答える」
LinuxからOpenShiftへ
レッドハットが高い成長を遂げている。
2021年のグローバルの実績は、すべての四半期で前年比2桁の成長を達成。2019年には1万4000人だった社員数は、現在では2万人に到達。「日本も同様のペースで陣容が拡大し、より大きな勢力となってお客様サポートすることができている」と、レッドハットの岡玄樹社長は語る。
OpenShiftも急成長しており、2020年の導入社数は2800社であったものが、この1年間で1000社増加し、3800社になった。日本においては、NTTドコモのORECや、NTT東日本の映像AIサービス基盤にOpenShiftを採用。また、三菱UFJ銀行では、新たなデジタルサービスの開発の生産性を高めるためにOpenShiftを採用し、日立製作所でもLumadaのDXソフトウェア開発基盤として、Openshiftを採用しているという。
「レッドハットのもともとの主力製品はRed Hat Enterprise Linux。レッドハットといえば、Linux OSの代名詞といえる企業であった。そして、次の柱として注力しているのが、コンテナプラットフォームのOpenShiftである。オープソースをルーツに持つ企業という生い立ちがあるからこそ、コンテナプラットフォームにおける信頼を勝ち得ている」とし、「OpenShiftは、金融分野での利用が先行し、全体の約4~5割を占めていた。だが、ここにきて、製造、流通、サービス、小売へと業種が広がっている」という。
さらに、OpenshiftのコンテナISVパートナーも増加。グローバルで300以上のアプリケーションがあり、そのうちOperator対応が200以上になっているという。「日本でも2年前からOperatorプロジェクトを実施。当初は10社でスタートしたものが、その後拡大している。今後、日本において、3桁を超えるアプリケーションがOperator対応することを目指している」(レッドハットの金古毅副社長)という。
DXとアジャイルが背景に
岡社長は、最近、顧客と会話をするなかで、こう言われることが格段に増えたとする。「レッドハットといえば、Linuxだと思っていたが、こういうこともやっているのか」――。
そこには2つの理由があるという。
ひとつは、DXが進みクラウドの利活用が当たり前になるなかで、アプリケーションプラットフォームにおけるOpenShiftの利活用に対する関心が高まっている点だ。
「OpenShiftによって、短い期間内に新たなサービスを立ち上げるなど、企業が抱える課題を、リアルにサポートできている」とする。
2つめは、アジャイルの文化を組織能力として身につけたいという企業が増加している点だ。「アジャイルへの取り組みは、IT部門の課題ではなく、ビジネスの課題と捉える経営者が増えている。それに対して、膝を詰めて議論できるノウハウを持っているレッドハットと共創したいという声が増えている」という。
こうした動きを捉えて、岡社長は、レッドハット自らが、次のフェーズに移行していく必要性を示す。
「クラウドがデファクトとなるなかで、レッドハットは、どうビジネス推進をしていくか。それに向けた社員のマインドセットは定着してきたが、これからは施策や行動の徹底が必要だ」とする。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります