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クルマのハンドルをレーシングカーっぽくできるステアリングスイッチ

2022年04月30日 12時00分更新

MOMOのステアリングホイールに、FlogDriveのステアリングスイッチ、パドルシフトを装着したS660

 ステアリングホイールは運転中、ドライバーが常に触れています。それゆえ自分の好きなステアリングホイールに交換したいと思う人は多いのではないでしょうか? ですが近年のクルマはステアリング(ハンドル)にはステアリングリモコンと呼ばれるボタンが多く、交換するとその機能が使えなくなったりするわけで、いつしかステアリングホイールを交換するのはメジャーなカスタマイズではなくなってしまいました。今回はイマドキの時代にステアリングホイールを交換できる素晴らしいアイテムをご紹介しましょう。

ステアリングのドレスアップをもう一度!

 ステアリング交換がメジャーでなくなった理由は、機能面の問題だけではありません。車検と保険的に大丈夫なのか、という不安があるから。ご心配な方は交換される際にご確認されることをオススメしつつ、現在は以下が一般的な考えになります。

 まず車検について。車検が通る条件は「ホーンマークおよびホーンボタンがついていること」「サークル状(円形・環状・楕円状を含む)のもので、ハンドルを握った状態でメーターなどが隠れずに目視できること」の2点のみ。以前は直径350mm以上という規定があったようですが、現在はハンドル径に関して明確な基準はありません。とはいえ自動車検査員によっては「小径ハンドルはダメです」という場合がありますので、交換する際は自動車検査員がいるショップと相談した方が望ましいでしょう。ちなみにエアバッグ搭載車のステアリングを単純交換した場合、警告灯が点灯しますので車検は通りません。よって交換時にエアバッグキャンセラーなどを取り付けて警告灯を消す必要があります。

 続いて任意保険。よく耳にするのが「エアバッグ特約が入っているため、エアバッグなしのステアリングに変更すると特約が外れて保険料が上がる」という話です。ですがエアバック特約は2010年頃からなくなりましたので、ステアリングを交換したから保険を組みなおす必要はありません。とはいえ、何か問題が発生する可能性も否定はできませんので、こちらも交換前に小さな文字で書かれている約款を確認されるか、保険会社にご相談することをオススメします。いずれにせよ交換は自己責任になるということは言うまでもありません。

実用的なスイッチをステアリングを付けたい

カーボン製パネルの上に従来のステアリングリモコンのスイッチを配置

ステアリング左側にクルーズコントロールの設定ボタンを配置

右側に選曲(選局)ボタンや音量調整ボタンを配置

 問題となるのは機能面。単純に交換したらクルーズコントロールなどは使えなくなってしまいます。そこで登場したのが、今回ご紹介するFrogDrive/NENCのステアリングスイッチケース。まずはその形をご覧いただきたいと思います。どこかレーシングカーっぽくてカッコイイと思うのは私だけでしょうか。それもそのハズ、NENCはTEAM NENCとして「全日本ラリー選手権」「アジアパシフィックラリー選手権」などを中心に、様々なラリーに参戦する、いわゆるエントラントなのです。

 そのステアリングホイールは以前ASCII.jpでも取材したウェルパインモータースポーツのGRヤリスのステアリングにも採用されています。よくレースで培ったノウハウを市販車に投入という話がありますが、まさにそれ。しかもガチ中のガチ。本物だけがまとうオーラを感じませんか?

NENCが作成したNSSPK(NENCステアリングスイッチパネルキット)

こちらは現在販売中のNENCの製品でNSSPK(NENCステアリングスイッチパネルキット)といい、2枚のカーボンをスタッドで支える構造

 誕生の経緯は、参戦車両を製作するにあたりステアリングホイールを交換した際、ステアリングリモコンがないとメーター内の表示切替ができなくなり不便ということから。当初カーボンの板に穴を開けてスイッチ類を取り付けたそうです。その後、協力関係にあり自動車の外装部品などカスタマイズパーツ製作が得意なFrogDriveとNENCで、独自の解釈として、より純正然としたFrogDriveと、よりスパルタンなNENCとしての製品ラインナップにしたとのこと。FrogDriveが汎用ケースを開発、NENC版は競技志向をより強め、1枚ではボタンを押したときの剛性感に不満があったため剛性を上げるため2重構造に変更して製品化したと言います。汎用性を持たせていますから配線さえわかれば、ほぼすべての車種に適合でき、個別オーダーに対しても相談に乗ってくれるそうです。

NENC製のステアリングスイッチ

イグニッションボタンのほか、サンキューハザードにも対応

クルーズコントロールのスイッチまわり。こちらはトグルスイッチで速度調整できるようになっている。またレーンキープボタンも用意されていた

 ちなみに、NENCが製造しているステアリングホイールには、エンジンのイグニッションと、サンキューハザードボタンも設けられていました。サンキューハザードがステアリングホイールから手を離さずにできるのはイイですね。なお自動車メーカー(車種)によってFrogDriveで販売する場合と、NENCで販売する場合とで別れているようですっが、どちらかに問い合わせてもOKです。

 簡単に違いを説明すると、追加機能や競技志向の強いレーシングモデルがNENC製、追加機能のない置き換えモデルで一般ユーザー向けなのがFrogDrive製です。車種は被るものはありますが、デザインで選択してもらえば基本の機能は同じとのこと。

開発に協力されたオーナー車両。あらゆる部分でカスタマイズされている1台だ

 今回メインで紹介するのは、FrogDriveが販売するS660用のステアリングスイッチケース。なぜS660用を製作したのかと開発者に話をうかがうと、S660に乗っている知り合いが作ってよ、と言ったから。そして、その方からCVT仕様に乗っていらっしゃるオーナーさんを紹介して頂き、CVT仕様も作られたのだそうです。ここでS660に明るい方は「クルマのステアリングをバラしてステアリングリモコン部分だけを取り出し、ハンドルに取り付けるキットがあるじゃないか」と思うかもしれません。S660オーナーである不肖はもちろん知っていますし、協力されたオーナー様もご存じでした。ですがお互いに「あれは見た目が……」ということで意見は一致。どうしても後付け感がぬぐえないのです。ですから、FrogDrive/NENCのステアリングスイッチケースはまさに福音そのものなのです。

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