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刺激的すぎるFRスポーツ「GR86」をドリフト&ラリー経験者の女子がレビュー

2022年04月29日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●水原亜利沙(@arisa__mizuhara)編集●ASCII

MTの設定があるのはありがたい

 今回試乗したのはMT仕様車。AT車との違いはトランスミッションだけでなく、前走車に追従する高機能型のクルーズコントロールやプリクラッシュブレーキ、後退時ブレーキアシストといった運転支援の類は一切搭載していないことでしょう。このご時世、MT設定があるだけでもありがたいので、アダプティブクルーズを取り付けろという贅沢は言ってはイケマセン。

 ドアは肉厚でありながら、サイズから考えると適度な重さ。閉めたときに質量を感じ、高級感があります。サイドミラー調整などのスイッチ類は一般的な配置であり、戸惑うことは少ないでしょう。

大柄な男性がシートにドライビングポジションに着座した場合、足を入れることは難しい

 運転席は広く快適ですが、後席は狭い4座なのは従来と同様。座れないことはないのですが、基本的に2シーターと思った方がいいようです。

 荷室の広さは前モデル同様で、後席シートを倒せばタイヤ4本は積めそう。GR86の後席は実質ラゲッジスペースと言えるでしょう。ラゲッジの底板を取り外すと、タイや修理キットなどが姿を現します。

足回りの良さは特筆モノ

 「全然違う! パワーがある!」というのが水原さんの第一声。「前モデルは結構踏まないとトルクが立ち上がらなかったのですが、今回はかなり下から出ていますね。だから出足がイイし、街乗りでも踏まなくていいですね」ということで調べてみると、2700rpmも低い3700rpmで最大トルクを発生するようになった様子。さすがプロドライバー! 「それでいて、回せばリニアにパワーが上がってくるのはNAらしくてイイですね。音とかフィールは先代に似ていると思います」とのこと。「とにかく速いですよ、このクルマ。とても同じ86とは思えないですね」

 足回りの良さも特筆すべき点と水原さん。「まずボディー剛性がめっぽう高くなっていますね。剛体という感じです。それにサスペンションのセッティングが見事です。街乗りでは硬さを覚える人がいらっしゃるでしょうけれど、それはスピードレンジが低いから。ちなみにラリーのターマックステージの足はもっと硬いですね」とのことで、気にならないご様子。速度レンジが低い=街乗りでは硬さを覚えるも、高速道路ではよい塩梅ではないか? という評価でした。

 「魅力度は相当高いですね。お買い得とさえ思えます」というGR86。「前のモデルもイイですが、GR86に乗ってしまったら嫉妬するでしょうね。でも86からGR86に乗り換える方がいらっしゃれば、それだけ86が市場に流通するわけで、多くの人がスポーツカーを手に入れやすくなるのではないでしょうか」。確かにその流れはありそうです。

 筆者がGR86に乗りながら思ったのは、スープラの2リットルターボ車の存在。GR86のRZグレードが334万9000円、GRスープラのエントリーモデルが499万5000円ですから、150万円の価格差があります。室内の高級感でみるとGRスープラの方が格上ですが、走りの楽しさと一応4名乗車できるという実用面ではGR86かなとも。ともあれGR86、実に魅力的な1台といえるでしょう。

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モデル紹介──水原亜利沙

 11月15日生まれ。高校時代をイギリス・ロンドンで過ごす。学生時代に見た映画がきっかけでドリフトに興味を持ち、ドリフトを始め、2018年よりラリーを始め2019年全日本ラリーデビュー。初クラス優勝も経験し、2020年からドリフト競技にも参戦。トーキョードリフトガールとしてYouTubeでも活動。

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