週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

「PLATEAU CONNECT Session 03」レポート

メタバースにより、私たちは何ができるようになるのか?

2022年04月15日 10時00分更新

メタバース的体験、スケールの鍵を握るのは

会の後半には、トークセッションが実施された

 ここからは、後半に実施されたトークセッションの内容を抜粋して紹介する。モデレーターは、国土交通省の内山 裕弥氏が務めた。

Q1.メタバースにより何が可能になると思うか。また、今後どのようなソリューションが生まれてくるのか。

若山氏:メタバースという言葉がここまで広がったのは、マーク・ザッカーバーグ氏が、FacebookをMetaに改名したことが大きい。「こういった世界が来る」は、まだ、マーク・ザッカーバーグ氏のビジョンでしかない。インターオペラブル(相互に接続され、共通のプロトコルでやりとりができる)なメタバースは実現していない。しかし、まだ存在しないコンセプトに名前がついて、「この方向で進めば、新しい世界が来る」と皆が思えるようになったのが、いまの状態である。

Q2.現実空間をデジタル上に再現することは、どのような価値につながっていくか。

沼倉氏:将来的にデジタルツインを使って、施設や都市の維持管理をすることは長期的な目標ではあるが、いきなり完成したシステムは生まれない。Symmetry Dimensions Inc.にとって、去年と今年は、ベースを作る段階だったと感じている。まずはベースができ、ここに色々なデータを入れていけばいいという方向性が示された。PLATEAUが生まれたことで、PLATEAUを起点に考えることができるようになった。メタバースという言葉に皆が混乱しているのは、概念はあるのにまだ形になっていないから。PLATEAUのように、まずは形になっているということは重要。

トークセッションの模様

Q3.これからのビジネスの展望は。

目黒氏:もうひとつの世界、もうひとつの社会を作ることに価値がある。新しい世界を創るというのは、神に等しい行為。だからこそ、皆で作らないと作れない。PLATEAUができたことで、土台ができた。仮想空間を作って、そちらを豊かにするという考え方もあるが、これまで「ユニバース」しか持たなかった私たちが、メタバースを持てるようになったという利点に注目している。その利点を使って、ユニバースとメタバースを融合させたり、情報を行き来させたりして、新しい価値を生むことをしたいと思っている。

Q4.仮想空間で買い物をするなど、メタバース的な体験がまだスケールしていない理由をどう分析しているか。

目黒氏:例えば伊勢丹で買い物をするときは、店舗の華やかな雰囲気の中で、おめかしをして、店員さんと話して、気に入った物を選ぶというプロセスが、買い物を楽しいものにさせていると仮定する。そのいくつかは現時点で実現できている。しかし、まだ実現できていないことがある。それらは、これからデバイスや通信スピードが進化する中で、いろいろな技術が組み合わさり、実現されるものではないか。

若山氏:コロナ禍で、私たちは体験にお金を払っていたことに気づいた。レストランへ行き、ワインを飲み、食事を楽しむことに人は3万円を払う。しかし、全く同じ料理が自宅で楽しめるとしても、3万円は払わない。現実の模倣をする必要はなく、現実ではできないことをやった方がいい。現実ではできないことをする方が、ビジネスとして立ち上がりやすいと思う。

■関連サイト

「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」配信のご案内

ASCII STARTUPでは、「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」と題したメールマガジンにて、国内最先端のスタートアップ情報、イベントレポート、関連するエコシステム識者などの取材成果を毎週月曜に配信しています。興味がある方は、以下の登録フォームボタンをクリックいただき、メールアドレスの設定をお願いいたします。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この特集の記事