3月25日にプロ野球が開幕した。これから12球団が各リーグ優勝、日本一を目指してしのぎを削っていくわけで、野球ファンもワクワクしているところだろう。そんな中、東北楽天ゴールデンイーグルス本拠地の「楽天生命パーク宮城」では、ある変化があった。それは、選手たちが控えるダグアウトに、AKRacingのチェアが設置されたことだ。
もともと楽天生命パーク宮城では、実況席にAKRacingのゲーミングチェアが導入されていたが、今回さらにダグアウトにも計80席設置された形となる。また、実況席のチェアと同様、カラーはクリムゾンレッドを採用しているほか、2ヵ所にチームのロゴがあしらわれており、まさに楽天イーグルス仕様となっている。
さらに、仙台だけあってシーズンによっては寒くなるため、座面と背もたれ部分にはヒーターを採用。このヒーターはイスの下にあるボタンで制御可能となっており、ダグアウトにいる選手たちを温めてくれる。なお、リクライニングも可能なため、投球を終えた投手を始め、選手が一休みするチェアとしては最強の環境になっている。
そもそもAKRacingというブランドをしらない楽天イーグルスファンの方に説明しておくと、AKRacingは座る人を思いやる設計で快適な座り心地を実現するゲーミングチェアのリーディングブランド。人間工学的なソリューションによって、長時間座っていても疲れにくい構造を採用しており、ゲームはもちろんデスクワークにも最適なチェアを複数シリーズ展開している。詳細は公式ページをチェックしてほしい。
では、なぜゲーム向けやオフィスワーク向けのチェアを販売しているAKRacingが、楽天生命パーク宮城のダグアウトに採用されたのだろうか。今回、楽天生命パーク宮城の取材許可を特別にいただいたので、実際にダグアウトを見てきたほか、AKRacingの国内総代理店のテックウインド 営業本部 PM2部 部長の木村 昇氏と、楽天野球団 営業第1部の長谷川 卓也氏にインタビューをする機会も得たので、導入の経緯などを聞いてきた。
球団カラーのクリムゾンレッドにコダワリ
選手を温めるヒーターも導入
──よろしくお願いします。今回、ダグアウトにAKRacingのチェアを導入した経緯を教えてください。
木村 昇氏(以下、木村氏):昨シーズンに実況席にAKRacingのゲーミングチェアを導入させていただいたのですが、そこからのお付き合いで、今回楽天イーグルスさんのほうからダグアウトにチェアを導入できないかというお話をいただき、実現したというのが経緯です。
長谷川 卓也氏(以下、長谷川氏):私はゲームをするので、当然AKRacingさんはもともとしっていました。そこで、何かお取組みできないかなということでお声がけさせていただき、まずは実況席のほうにゲーミングチェアを導入させていただきました。そんな中、ダグアウトのイスを交換しなくてはいけない時期だったので、ぜひダグアウトにもAKRacingさんのチェアを導入できないかなと思い、相談させていただいた次第です。
──選手の方たちの評判はいかがですか?
長谷川氏:残念ながら、選手はまだ座っていないです(取材日は3月16日)。ただ、AKRacingさんのゲーミングチェアを使用している職員や選手もいまして、座り心地の評判はかなりいいです。また、これからシリーズが始まりますので、選手のファーストリアクションも楽しみです。
──ダグアウトに導入したチェアのコダワリを教えてください。
木村氏:一番こだわったのは、素材ですね。屋外に設置するものなので、 長期間運用に耐えることができ、雨や日光に当たっても変色しにくい素材を採用しています。あとは、色味です。楽天イーグルスさんのイメージカラーの深みのあるクリムゾンレッドをいかに 正確に反映するかというのにもこだわりました。
──チェアにはヒーターが導入されていると伺っています。
木村氏:そうですね。ダグアウトに導入した席すべてに、ヒーターを導入しています。背もたれと座面にヒーターが入っており、低温やけどをしない程度の暖かさを保持するようにしてあります。また、スタジアムの電気容量にも制限がありますので、その範囲内で機能するようにしております。
──やはり、時期によっては寒いですか?
長谷川氏:そうですね。シーズン初めや終盤では、気温が7~8度になることもあります。ダグアウトのイスの冷たさが選手に伝わってしまうと、身体がこわばってプレーに影響してしまいます。そこで、無理をお願いして、導入したチェアにヒーターを導入してもらいました。
──導入において、苦労したことがあれば教えてください。
木村氏:開幕に間に合わせなくてはいけないので、スケジュール調整が大変でしたね。また単純に間に合えばいいというわけではなく、品質や耐久性などしっかりとしたものでなければならないので。企画からおおよそ半年くらいの時間しかなかったので、その中で開発、製造、設置まで間に合ってよかったです
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