前回に続き、OM-1で撮った猫の話といこう。長くオリンパスのOM-Dシリーズを使って猫を撮っていたのだが、ソニーやニコンやキヤノンが次々と猫認識AFを実現しており、オリンパスはいつになるんだーと思いつつ古い機種を使ってたのであるが、とうとうOM-1で搭載してくれたのである。良かった良かった。
というわけで外へ持ち出して実戦投入。前回の保護猫シェルターとは違い、いつどこでどのタイミングでどの距離で出会うかわからないという中、あるとうれしいのが12-100mm F4の高倍率ズーム。高倍率ズームは便利だけど画質はイマイチ、という常識をくつがえした名レンズなのだ。
何しろ近寄れる猫には広角でぐいぐいと。
アップで撮りたいときは望遠でじっくりと。
こんな感じで1本で済んでしまうのでレンズ交換がめんどくさくなっちゃうレベル。使う人間を堕落させるレンズなのだ。
このレンズはけっこう近くまでフォーカスが合うので、顔のドアップも撮れちゃうのが楽しい。冒頭写真のミケ系ハチワレがそうだ。なので今回は「OM-1+12-100mm(35mm判換算だと24-200mm)」という組み合わせでぶらぶらしてて出会った猫たちである。
お次の写真は某所で出会ったハチワレ。空き地の奥でのんびりしてたのを見つけて望遠で。
実はここ、ちょっとした高台で後ろを新幹線が通ってるのである。高台なので走り抜ける新幹線を真横から見ることができる。猫にレンズを向けてたら新幹線が走ってくる音が聞こえたので、お、これは「新幹線と猫」というなかなかレアな写真が撮れるかも、と両方が入る画角までズームリングを回してポジションを決めてなんとかシャッターを切ったのがこちら。新幹線は速いのであっという間だったけど、なんとか撮れたのが次の写真だ。
猫が日陰にいるのでわかりづらいけど猫と新幹線である。
背景って大事だよね、ってことで、背景を活かした写真を最後に。春ならではの猫と桜だ。とある公園の塀の上に猫がいたのである。レンズを向けたら、塀の上をとことこと歩いて遠ざかり、塀の端っこにいっちゃったのでダメかなと思ったら、その向こうに大きな桜の木が。
猫が背中を向けていたのだけど、いつか振り向いた瞬間を狙おうと、桜と猫の関係がちょうどよくなる画角を探してじっと待つ。そして振り向いた瞬間、猫瞳AFが瞬時に仕事をして顔にフォーカスを合わせてくれたので、すかさず撮影。
猫がたまたま塀の上にいてくれたおかげで、ほどよい高さで背景に桜が入ったのだった。雨が降りそうなどんより状態だったので色は地味だけど、まあそれはそれで光がやわらかくていいかなと思う。
かくして、使う人が堕落するカメラOM-1と、使う人が堕落するレンズ12-100mm F4 PROは秀逸な猫散歩コンビなのだった。これはやばい。
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老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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