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2022年2月18日開催「みちのくDEMO DAY」イベントレポート

東北地域大学発ベンチャー共創プラットフォーム 代表チームが次代を担うイノベーションの種を披露

2022年03月18日 11時00分更新

文● 藤原達矢(アバンギャルド)編集● ASCII STARTUP
提供: 東北地域大学発ベンチャー共創プラットフォーム

岩手大学「医療機器としての脳卒中リハビリテーションロボットの開発と販売」

 岩手大学 理工学部 教授の三好扶氏が開発しているのは、脳卒中リハビリテーションロボットだ。三好氏は学生時代からロボットの研究を行なっており、博士課程に進学したのをきっかけにリハビリの現場で使えるシステムを作り、療法士らの負担軽減や治療機会の増進に繋げたいと考えていたと話す。

現状のリハビリにおいては、手指の機能回復訓練が後回しになってしまうことで固縮・拘縮してしまい、訓練の負担が増している

 現状の課題について、リハビリの現場では、移動(自立歩行・車椅子使用)が最優先され、手指の機能回復訓練が後回しになっているという。その結果、手指が固縮・拘縮してしまい、訓練の負担が大きくなってしまう。


手指機能回復訓練に必要な二つの技術を搭載した装置を開発した

競合製品と比べても操作性や着脱性において優位性があると三好氏は話す


 そこで、訓練の負担軽減を目的として開発したのが、ミラー療法とリーダフォロワ方式を採用した麻痺手を機能手にする装置だ。リハビリにおいては、自身の残余機能を繰り返し自分で動かすことが大切になるが、装置が難解だと操作が面倒になり着脱も難しい。今回新しく開発した装置は、それらの課題をクリアし、競合製品と比較しても操作性や装着性において優位性があると三好氏は話す。デモンストレーションにおいても療法士が長蛇の列を作り、実現への期待が高いことを実感したという。将来的には国内でマーケットシェアを獲得し、海外市場にも展開していきたいと三好氏は展望を語った。販売時期は、2023年の夏を目指している。


マーケットについて。国内シェア33%を獲得することで、55億円の売り上げが見込めるという。

 
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