さまざまな地域課題や社会課題の解消や、ドローンやスマートシティなどとの組み合わせで期待されている自動走行ロボットを活用した配送サービス。日本でも各種実証実験が進んでいるが、いよいよ実装が見え始めている。2020年より実施されたNEDOによる実証実験で見えてきた動きを追いかける。
感染対策としての非対面・非接触ニーズが進み、運送業人手不足の深刻化が進む一方で、配達需要はますます高まっている。ここに。自動配送ロボットの公道走行が実現すれば、配送センターから団地への配達をロボットに任せるなど、配達員の負担は大きく減らせそうだ。実装の課題は、ユーザーや住民に不安を与えず、安全に走行すること。NTTドコモは、自社の通信網を活用し、遠隔監視・操作でロボットを運行管理するサービスの開発に取り組んでいる。
ドコモの通信環境を活用した
遠隔監視によるロボット運行管理システム
日用品や食料品などの生活必需品は、買い物頻度が高い。しかし、商圏の変化で自宅周辺に商店がない場合や、近くに商店がある場合でも、高齢になると商品を自分の家まで持ち帰りにくくなる。最近はインターネット通販のニーズが増えているが、配達員も不足している。
NTTドコモは「団地の居住者や団地内でのサービス提供者に向けた配送サービスの実現」をテーマに、ドコモの通信回線を利用して遠隔監視でロボットの運行を管理するサービスの開発に取り組んでいる。大規模な団地内で配送拠点を設け、配達員はその拠点まで商品をまとめて配達し、その先は自動配送ロボットが各住居へ届けられると、上述した地域課題解決につながる。
ビジネスモデルは居住者から配送料を受領するBtoBtoCモデルで、団地に配送サービスを提供する事業者に対して、自動走行および遠隔操作で運搬ロボットを運用するための通信やアプリケーションなどを「運行管理パッケージ」としてサブスクリプションで提供することを目指す。
ユースケースとしては、団地内での日用品配送・集荷のほか、団地の管理事業者などのサービス提供者の業務支援も想定。将来的には、商店からのラストワンマイル配送も担えるように、自治体や土地保有者、自治会、損保会社などとも連携していく考えだ。
実証実験では、ロボットが安全かつ確実に荷物を届けられることと、実際に住民が生活する団地環境でロボットが稼働することに対する受容性の2点について検証された。
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