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伝説の名車、カワサキ「Zシリーズ」50thアニバーサリーモデル3車種が登場

2022年02月26日 12時00分更新

Zの名を冠した3台のニューマシン

 カワサキモータースジャパンは、同社のフラッグシップマシンとも言える「Zシリーズ」の50th Anniversaryモデルを発売した。これまでカワサキが発売したモデルの中でも、Zは特別な意味を持っている。Zと言えば1972年に発売されてから今日まで、Z1、Z2の愛称で親しまれ続け、旧車市場でも常にトップクラスの人気を誇る名車中の名車だ。バイク漫画「あいつとララバイ」の主人公の乗るバイクがそれだ。バイクに詳しくない方のために自動車でたとえると、「ハコスカ GT—R」や「S30Z」の様な存在だ(特にS30Zは新発売されたフェアレディZにデザイン面で多大な影響を与えている)。そんな伝説的名車のアニバーサリーモデルの発売とあって、カワサキモータースも特別な思いがあるようだ。

ファイヤーボールカラーのZはやはり特別感が漂う

昔のモデルを踏襲しながらも
しっかり最新のマシンに!

 50th Anniversaryの名を冠したモデルは、2月1日に発売された「Z900RS 50th Anniversary」と「Z900 50th Anniversary」の2車種。そして4月28日に発売予定の「Z650 50th Anniversary」を加えた合計3車種だ。すでには発売されている2車種のうち、初代ZのスタイルをフューチャーしているZ900RSは、当時のZ1のカラーリングを復活させている。ファイヤーボールと呼ばれるデザインは、初代Zシリーズのシンボル的デザインであり、カラーコンビネーションだ。しかも今回、アニバーサリーモデルのためだけに開発された特別な塗装工程を採用。燃料タンクの塗装はキャンディカラーを独自の技法で重ね塗りすることで、艶やかで深みのある質感を実現させるほど丹念に仕上げられている。

グラブバーやエンブレムなどZ1のギミックがふんだんに取り入れられている

 そのほか、当時のデザインを復活させたサイドカバーのエンブレム。レトロ感を引き立てるグラブバー、クランクケースカバーに施されていたDOHCのロゴなど、Zファンにはうれしいギミックが随所に見られる。ホィールに関してはあえて旧車をフィーチャーしたスポークを採用していない。金色に塗られたダイキャストホィールが採用され、実用性とデザインを洗練させる役割を兼ね備えている。

ファイヤークラッカーレッドに身を包んだ「Z900 50th Anniversary」

80年代のカワサキを象徴するファイヤークラッカーレッド

 もう一台のアニバーサリーモデルであるZ900 50th Anniversaryは、80年代のカワサキの象徴でもあるZ1100GPをフィーチャーしている。このマシンに採用された「ファイヤークラッカーレッド」は、Z400FXやGPZ900Rなどの名車に採用されたカラーであり、80年代のカワサキを代表するイメージカラーだ。新たに調合された鮮やかな赤と、アグレッシブなスタイリングが相まってえも言われぬ迫力を醸し出している。

こちらも80年代のカワサキの雰囲気を感じさせる

さらにGPZなどに採用された、黒と白のストライプがあしらわれGPZのイメージを強調している。そしてZ900RS同様の948ccエンジンは、同じ排気量のRSのパワーを凌ぐ125psを発生する。こちらのモデルは、ただのノスタルジックなバイクではなく、質実剛健なカワサキらしいモデルと言えるだろう。カワサキモータースのホームページ上でも、「ワインディングを駆け抜ける時、最もその真価を発揮するマシン」と記すほどだ。

Z1の雰囲気をダウンサイジングしたZ650で見事に表現している

実力が楽しみな新設計の「Z650」

 そして4月28日に発売予定のZ650 50th Anniversaryモデル。こちらはまったくの新設計と言っていいだろう。エンジン自体はNinja650やZ650に使用されているものだが、そのスタイリングはカラーリングと相まって往年のZ1のイメージを見事に再現している。まずカラーリングだが、Z900 50th Anniversaryモデル同様ファイヤーボールデザイン。

Z900RS同様ノスタルジックな雰囲気を醸し出すのは、こう言った細部の作り込みなのだろう

 しかもタンク下部が絞り込まれているため、900RSよりZ1に近い形状となっている。ことタンクの絞り込みと短いテールが、スリムさとクラシカルなイメージを見事に表現している。細かい部分でもグラブバーの採用や、サイドカバーには往年のZ1と同様のDOUBLE OVERHED CAMSHAFTと掘られたエンブレムが配されている。砲弾型の2連メーターも、当時を知るファンにはたまらない演出といえよう。

 今回は撮影のみで試乗することは叶わなかったが、足つきの良さや車重を考えると年配のZファンや女性ライダーにフィットしそうだ。価格の面でも110万円と、お買い得な設定といえよう。900ccは重いしパワー的にも扱いきれない、それでも憧れのZ1に乗りたい、と考えているライダーには、このZ650 50th Anniversaryモデルはもってこいの1台と言えるだろう。

■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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