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AWSが15周年、否定の繰り返しの中から成長、データの探究者が変革を切り拓く

2022年01月24日 09時00分更新

クラウドなんて存在できないから始まる

 さらに、こんなエピソードにも触れた。

 「AWSがクラウドの説明をすると、多くの人が困惑した表情をしていた。概念でしかないクラウドを理解するのが難しかったからだ。また、多くの人が、『本の販売と何の関係があるのか』と尋ねた。答えは『何も関係がない』であった。しかし、本を売るために使っていたテクノロジーが、AWSの構築と強化のすべてに関係している。そして、初のクラウドプロバイダーとして、新たなインフラで、アプリケーションを実行することの価値を証明することができた」とする。

 また、当初、旧態依然としたITベンダーからは、「クラウドなんて存在できない、絶対に普及しない」という指摘があったこと、少し使われ始めると「スタートアップ企業しか使えない」といわれたこと、次に企業がクラウドを使い始めると、「ミッションクリティカルなワークロードには使えない」と言われたことを示しながら、「みなさんのおかげで、彼らが言っていることのすべてが間違っていることが証明された」と語ると、会場からは大きな拍手が沸いた。

 その上で、「クラウドは、単なる技術革命ではなく、ビジネスが実際に機能する方法を根本的に変えるものになった。クラウドが網羅していない業界はなく、クラウドが根本的な変化を起こしていない業界も存在しない。変化の潮流の一部になっている」とした。

 現在、S3では100兆以上のオブジェクトを保存し、EC2では毎日1600万以上の新しいインスタンスが稼働し、コンピュート、ストレージ、データベース、機械学習、アナリティクス、AIなど、200以上のフル機能のサービスを、81以上のアベイラビリティゾーンを通じて提供していることを紹介。数100万の顧客が、AWS上でミッションクリティカルなアプリケーションを実行していることや、10万社以上のパートナーによるエコシステムを構築していることを示した。

 だが、こうも語る。

 「クラウドは、大規模に導入が進んでいるように見えるが、実際には、まだ始まったばかりである。アナリストは、IT支出の5~10%程度がクラウドに移行したと推定しており、今後数年間で、移行するワークロードは非常に多く、実現していないイノベーションも多い。それは、多くの機会やチャンスがあるということだ。AWSでは、これまで以上に多くの機能を提供し、5GやIoTなどにより、エッジなどの新たな場所へと利用を押し広げ、データ分析と機械学習のシームレスな統合も目指し、特定の業界に最適化したサービスとアプリケーションを強化していくことになる。可能性はまさに無限大である」などとした。

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