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第45回NEDOピッチ「デジタルコンテンツ ver.」レポート

技術の進歩が生む新領域「メタバース」への潮流

2022年03月25日 12時00分更新

AI技術による収録コスト低減で用途が拡がるAI音声サービスCoeFont
株式会社CoeFont

 株式会社CoeFontはAI技術を用いたAI音声サービス「CoeFont」を提供している。月額500円からという低価格で3000種類を超える声色の中から好きな音声を選んでテキストを読み上げさせることができるサービスだ。

株式会社CoeFont
西塔 由香子氏

 CoeFontの最大の特徴は音素データの収録にかかるコストが従来のAI音声エンジンと比べて劇的に低減されているところにある。例えば従来は8時間程度の音声データの収録と50万円程度のコストがかかっていた。CoeFont ではそれらが15分程度の収録で済むようになっている。

 音素データの収録コストが低下したことにより、AI音声の応用分野が拡がってきている。従来は長時間の収録が必要で非常に大きなコストがかかっていたオーディオブックの作成がその1つに挙げることができる。CoeFont を用いると、高い制作費のために製品価格を上げる必要もなくなるし、制作期間も短くできる。さらに様々な声色のオーディオブックを製作できるため、読者が好きな声でオーディオブックを聞くことができるようになり、より幅広いユーザーに製品をアピールすることができる。

 CoeFont の応用のもう1つとして、病気やけがなどのために生体時切除手術を受けなくてはならなかった患者の声を、手術以降も使うことができるようにするというものがある。日本には声帯摘出手術を受けた人が2~3万人程度いるとされている。そういった人も手術前にCoeFont で音声データを収録しておけば、スマホなどを使って手軽に自分の声でAI音声を利用することができる。

 AI技術を用いて自然なAI音声を実現するだけでなく、音声データ収録コストを下げたことが、発声に課題を抱えている人のQOL向上に繋がっている。高齢化社会が進む日本に、今最も求められているサービスかもしれない。

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