4Kゲーミングも高fpsゲーミングもオールマイティーに対応
では、いよいよ本命のPG-DC12Tのゲーミング性能について、実ゲームのベンチマークやフレームレート計測を行なって確かめていこう。
まずは定番ゲームベンチマークの1つ「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」でパフォーマンスを計測する。グラフィック設定はプリセットから「最高品質」を選択し、解像度は4K、WQHD、フルHDの3パターンでベンチマークを実行した。
スコアーは4Kで16428、WQHDで26097、フルHDで31615と、いずれの解像度でも「非常に快適」の評価が得られた。フレームレートに目を移すと、フルHDの平均フレームレートが非常に伸びており、240Hz駆動のディスプレーで超滑らかな動きを堪能できそうだ。
ビデオカードの仕様なども異なるため参考値だが、Core i9-11900+RTX 3080 TiのPCで計測したフルHDの平均フレームレートは約190fpsだったので、CPUの変化で30fps以上向上していることになる。また、4Kの最小フレームレートが60fpsを超えているので、4K環境でも常にスムーズで快適なゲームプレイを楽しめるだろう。
次に、根強い人気を誇るFPSゲーム「レインボーシックス シージ」でフレームレートを計測した。描画APIは「Vulkan」を使用し、画質設定はプリセットの「最高品質」をベースにDLSSをオートで有効にしている。解像度は4K、WQHD、フルHDの3パターンを実施。フレームレートの計測にはゲーム内のベンチマーク機能を用いている。
レインボーシックス シージは高いフレームレートが出やすいゲームだが、多分に漏れずここでも高いフレームレートを叩き出している。500fpsを超えると過剰性能とも言えるが、360Hz駆動のディスプレーと組み合わせても余裕で対応できる性能なことは確認できる。
続いて、最新のFPSゲームとして「Battlefield 2042」のゲーム中のフレームレートを計測した。解像度は4K、WQHD、フルHDの3パターンで計測を行ない、画質の設定はクオリティー「最高」をベースに、レイトレーシングのDXRオン、DLSSはオートに設定した。
対AI戦の「コンフリクト」でマップは「オービット」を使用し、荒天時に特定のルートで拠点間を駆け抜けていく際のフレームレートを「CapFrameX」で計測している。なお、CapFrameXで計測した際のデータは、最小フレームレートの代わりにデータ全体を100分割して最小値から1%の値を「min(1%)」として記載している。
また、実際のBattlefield 2042のオンラインプレイでは、クオリティー「低」設定をベースに遊ぶ人も多いと思われるので、クオリティー低、DXRオフ、DLSSオートでのフレームレートもあわせて計測している。
Battlefield 2042は、よく「重たい」「最適化が進んでいない」などと言われるが、計測結果から4KからフルHDまでに大きな差が生じていないことが見て取れる。特に、クオリティー低設定ではフレームレートを稼ぐために解像度を落とす意味がほとんど無い状況だ。
ただ、それでもPG-DC12Tの性能があれば、4K低設定で平均120fps以上を記録しているので、高解像度のディスプレーを活かしてプレイすることも可能であると示している。Battlefield 2042の最適化が進んでフルHD解像度の意味が見出せるようになるまでは、4K@144HzやWQHD@144Hzのゲーミングディスプレーとの相性が良さそうだ。
最後に、大人気のバトルロイヤルFPS「Apex Legends」のフレームレートを計測した。解像度は4K、WQHD、フルHDの3パターンで行ない、グラフィック設定はすべて最高にした状態で、射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」のスモークを射出する一連の動きを、CapFrameXでフレームレート計測した。
総じてフレームレートは高めに出ており、4Kでは144Hz駆動の4Kゲーミングディスプレーとの相性が良さそうだ。WQHDとフルHDはApex Legendsのフレームレート上限である300fpsに張り付く場面が多くなり、240Hz駆動や360Hz駆動のディスプレーを存分に活かせるだけの性能が出ている。また、WQHDもフルHDもmin(1%)が144fpsを超えているので、安定感を重視する人も満足できるだろう。
最強のゲーミングPCで2022年を過ごしたい人へ
ここまでの検証で見てきた通り、PG-DC12Tは4Kゲーミングも高fpsゲーミングも幅広く対応可能なゲーミングPCに仕上がっている。むしろ、4Kかつ高fpsなゲーミングに対応できると言っても過言では無いかもしれない。Core i9-12900Kはゲーミング向け最強CPUを名乗るのも頷ける性能を有しており、その相棒となるRTX 3080 Tiも、上位にRTX 3090が控えているとはいえ、ゲーミング性能は遜色のない現世代最強クラスと言ってもいいGPUだ。
また、CPUとGPUだけでなく、メインメモリーには最新規格のDDR5を採用し、ストレージも高速なPCI Express Gen 4タイプを採用するなど、足回りの面でも抜かり無いのが嬉しいところだ。そしてARGBファンが映えるPCケースのデザインも所有欲を十分に満たしてくれる。性能面でもデザイン面でも満足度は高い。
もちろん、最強クラスの構成は価格的にも相応なものになるので、万人にオススメできるわけではないが、最強ゲーミングPCを手に入れて性能面の憂いから解放され、2022年のPCゲーミングシーンを思いっきり楽しみたいと考えている人にオススメな1台だ。
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