10月13日〜15日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された「healthTECH JAPAN 2021」では、AIを活用した創薬支援から患者ファーストの医療器具、身体データの利活用などのテクノロジー展示およびビジネスマッチングの商談などが行われた。
患者ファーストや非医療従事者を優先した医療器具、医療機器のデザイン
Zeniusブースでは、使用者が容易に使える自己注射器や、ジェネリック医薬品向けの効率の良い吸入器など、患者ファーストの医療器具、医療機器のデザインの提案を展示していた。
また、OVAL社で展示されていた自己注射器は、筋肉内注射および皮下注射において、簡単で投与完了がわかりやすい操作性を目的に設計されており、すべてのラインナップで統一された4つのステップで完結する。医者や看護師以外の非医療従事者が使用する前提で、安定した投与を安全に行えるデザインとなっている。
吸入器(インヘラー)や自己注射器などの開発に際して、設計した機構が効果を発揮しているのか、必要十分な強度やパワーが出るのかなど検証のための計測デバイスも提供している。ジェネリック医薬品などにおいては、医薬品の特許が切れても投与機器の特許が残っているために代替医薬品の販売に至らないというケースもあり、投与機器を安価に開発する必要性があるが、そのような場合にもコストパフォーマンスのよい開発が可能としている。
これら自己注射器や吸入器は、アナフィラキシーショック対応(エピペン)や糖尿病患者向け(インスリン)など、製薬会社など器具と一緒に薬剤を販売するメーカーへの提案となっていた。
そのほかにも、ブレスレット型のマスクケースなどの展示があり、マスクの付け外しの際の一時的な置き場や予備のマスクの持ち運びなどの「非日常」の行為を「日常」に溶け込ませるためのデザインによる解決の提案などがあった。こちらは飲食店での販売なども想定しており、製造コストや販売価格などのリサーチを進めているという。
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