対戦FPSゲームで優位なプレイ環境を作り上げたい、RPGやアクションゲームの綿密に作られた世界を細かく味わい尽くしたい、レースゲームを大きな画面で没入感高く楽しみたい……などなど、ゲームのジャンルによって求められる理想のディスプレーはちょっとずつ違うものだ。
対戦FPSゲームであれば求められるのはハイリフレッシュレートと高速応答だろう。RPGやアクションゲームであれば情報量の増える高解像度だ。レースゲームなど迫力が求められるゲームでは、やはり大画面が欲しくなる。
特定のジャンルでしか遊ばないのであればそれに特化したディスプレーを導入すれば良いが、いろいろなゲームを楽しみたいと考えるユーザーが大半だろう。さらにPCディスプレーとして考えると、普段使いでの快適性も重要となるので余計に頭を悩ませる。
このような感じでディスプレーに求める要件をいろいろ考えてみるものの、少し前までは、あちらを立てればこちらが立たずという様相で、すべての要件を満たすディスプレーを探し出すことは難しかった。ところがここ最近、さまざまな用途に対応できるだけの高スペックを携えたディスプレー製品が徐々に増え始めてきている。
GIGABYTEから販売されている「AORUS FI32U Gaming Monitor」(以下、FI32U)も、そういった要件を満たす大画面、高解像度、ハイリフレッシュレート、高速応答を謳うゲーミングディスプレーだ。32インチ(31.5インチ)、4K(3840×2160ドット)、リフレッシュレート144Hz、高速応答1ms(GtG、MPRT)のスペックを誇るFI32Uをお借りできる機会を得たので、その実力を探っていくことにしよう。
FI32Uスペック表 | ||||||
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製品名 | AORUS FI32U Gaming Monitor | |||||
パネルサイズ | 31.5インチ | |||||
パネル方式 | SS IPS | |||||
バックライト方式 | エッジ型 | |||||
パネル表面処理 | ノングレア | |||||
解像度 | 3840×2160ドット(UHD) | |||||
ピクセルピッチ | 0.181mm(H)×0.181mm(V) | |||||
色域 | 90% DCI-P3/123% sRGB | |||||
最大輝度 | 350cd/m2 | |||||
コントラスト比 | 1000:1 | |||||
視野角 | 178°(H)/178°(V) | |||||
カラービット幅 | 10bit(8bit+FRC) | |||||
応答速度 | 1ms GtG/1ms MPRT | |||||
最大リフレッシュレート | 144Hz | |||||
HDR | VESA Display HDR400 | |||||
映像入力端子 | HDMI 2.1×2 DisplayPort 1.4(DSC)×1 USB Type-C×1 |
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USBポート | USB 3.0 Type-A×2 USB 3.0 Type-B×1 |
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オーディオ端子 | ライン出力 ヘッドフォン出力 マイク入力 |
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スピーカー | 非搭載 | |||||
電源ユニット | 内蔵 | |||||
最大消費電力 | 120W | |||||
サイズ(スタンド含む) | 717.6(W)×598.3(H)×283mm(D) | |||||
重量(スタンド含む) | 10.9kg |
デザイン、使い勝手ともに完成度の高い専用スタンド
まずはじめに、セッティングの段階で思ったのが専用スタンドの完成度の高さだ。V字型の細長いベースは一見華奢なようだが金属製でどっしりと全体を支えている。ベース部分の全幅は約56cm、奥行きは約28cmあり、設置にはそれだけの机上スペースを必要とするが、ベース自体が細長い形状なのでそれほど邪魔な感じはしない。
またスタンドの柱最上部は取っ手状になっていて、セッティングの際の持ち運びに重宝した。32インチのサイズともなると、抱えるのも少々苦労するので、このような取っ手があるのはありがたかった。
ディスプレースタンドの機能としては、左右20度ずつのスイーベル、上20/下5度のティルト、時計回り90度のピボット、上下130mmの高さ調節を備えている。32インチディスプレーということで動かすのにもそれなりの力が必要なのかと身構えたが、それほど力を入れずともスムーズに動かせた。もちろん100×100mmのVESAマウントも装備しており、モニターアームでの設置にも対応している。
FI32Uを設置してみての第一印象は、「デカイ!けど、案外そうでもない?」というものだった。普段23インチ×2枚のディスプレー環境で作業している筆者にとって32インチはたしかに巨大だったが、ベゼルレスデザインのおかげかスッキリとした印象で圧迫感はなく、置いてみたら違和感なくすんなり収まったという感じだ。
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