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【連載】都における自動運転に関する取組をご紹介します!

2021年12月01日 11時00分更新

※新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。

 新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。

 東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。

 都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。

■前回の紹介記事はこちら。

【連載】東京都が実施した島しょ部の海底ケーブル敷設について紹介します!【海底敷設編】

※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画

 みなさん、こんにちは!今回は自動運転についてご紹介します。

 デジタルサービス局では、「スマート東京」推進の一環として、自動運転技術を活用したサービスモデル構築の支援を行っています。

 今年度のプロジェクトや自動運転で出来ることなど紹介していきます。

5Gを活用した自動運転の実証プロジェクトがスタートします!

 2021年度は、西新宿エリアの新宿駅と都庁間などのルートで、5Gを活用して、自動運転車両を走行させます。

 2023年度に西新宿エリアでの社会実装(日常的に自動運転車両が走行する社会)を目指した大きな第一歩という位置付けのプロジェクトです。

 7月16日に2件のプロジェクトとそれぞれのプロジェクト実施者を決定しました。2021年11月から2022年1月にかけて、2~3週間程度実証実験を行う予定です。

<東京都プレスリリース>
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/07/16/05.html

 一般のみなさんの試乗イベントも検討しておりますので、ご期待ください!

<写真>実証実験に使用予定の自動運転車両です

日野ポンチョロング2ドアをベースとした自動運転バス

トヨタJPN TAXI 匠をベースとした自動運転車両

そもそも自動運転とはどんな技術?

 自動運転はレベル0~5で分類されています。

 レベル0は運転自動化なしです。

 出所:国土交通省報道発表資料(令和3年3月23日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000364.html

 レベル2はハンズオフを実現可能とし、走行中にドライバーがハンドルから手を放しても走行を可能とする技術です。ただし条件を外れたときに、ドライバーはすぐにハンドルを握ることができるようにしておかなくてはなりません。

 レベル3はアイズオフ(視線を前方より外すこと)を実現可能とし、システムが運転している間に、ドライバーは運転以外の業務に従事することが可能になります。レベル3の自動運転では、システムから要請されれば、すぐにアイズオフを解除しドライバーは前方を注視しなくてはなりません。

 出所:SIP café 自動運転用語集(https://sip-cafe.media/words/)抜粋

 現在、国内ではレベル3まで実用化されており、無人での自動運転を可能にするレベル4を目指して、車両の技術開発が民間で進められるとともに、国において法整備が進められています。国の自動運転に関するロードマップである「官民ITS構想・ロードマップ」では、2025年には全国各地で無人自動運転による移動サービスの実現を目指し、産官学で連携した取組の推進を掲げています。

自動運転で出来ることは?都は自動運転技術を使って何をするの?

 自動運転技術は、成長戦略として大きな意義を有するとともに、都市が抱える様々な社会的課題、例えば、交通渋滞や交通事故、高齢者をはじめとする移動制約者の増加、深刻化するドライバー不足の問題などを解決する先端技術として期待されています。

 上記のとおり、数年後に迫った自動運転の実現を見据えて、民間による実証地域の絞り込みが進んでおり、国や自治体によるリソースの獲得競争が行われている状況です。

 このような中で、都は社会的課題の解決に資する自動運転サービスを実現させることで、世界の他都市に先駆けて新たな社会モデルを作っていくことが必要であると考えています。

 自動運転の社会実装を進めるにあたって、特に重要なこととして、自動運転という新しい技術が、みなさんの理解、賛同を得て、地域社会の中で受け入れられることが不可欠な要素であると考えています。そのため、広く一般のみなさん向けに自動運転車の試乗会などを開催することにより、自動運転車両を体験すると同時に、最新の技術動向や利便性、安全性、社会的課題を解決できる可能性等などについて紹介し、理解を深めていただく機会を創出することが東京都の役割だと考えています。

これまでの東京都の取組を一部紹介します!

 2020年度に、としまみどりの防災公園(イケ・サンパーク)の周辺道路や園内車路を使って、自動運転の実証実験を行いました。

 この実証実験では、

・都心での公道走行や右折走行での既存交通等との協調確認、車両挙動、通信環境の確認

・アプリを活用した飲食デリバリーの実施、評価

 などの検証を行いました。

 事前に乗車モニターを募集し、体験後アンケートをとることで、自動運転を実際体験した感想や意見をいただく貴重な機会となりました。

 乗車体験の評価として、「良かった・やや良かった」の声が、全体の90%強もあり、期待値の高さが伺える一方で、自動運転実現で気になることとして、安全性や事故時の対応が挙げられました。

 事業化目線での主な成果、課題は以下のとおりでした。

<成果>
・実施に向けた地元などとの調整・手続きのノウハウを獲得したこと
・右折進行、歩行者・自転車との協調は一定程度クリアしたこと
・オペレーションが向上したこと
・通信障害箇所の確認できたこと
・デリバリー注文の受信、店舗との連携は問題なかったこと

<課題>
・低速交通に対する認知・理解が必要であること
・警備等人件費が多くかかること
・アプリの登録作業に手間がかかること

アプリから料理を注文!(出所:東京都撮影)

自動運転車両で料理をお届け!(出所:東京都撮影)

おわりに

 近い将来には、自動運転が当たり前のようにまちを走る、というところまで開発や検討が進んでいます。

 都で支援している実証実験や試乗会など通じて、実際に自動運転技術を見て・乗って・感じることで、自動運転に対する関心や理解などを深めていただければ嬉しいです。

◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo

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