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iPhone 13 Proの77mm相当の3倍望遠はやっぱり猫を撮るのに最適だった!

2021年11月24日 10時00分更新

水の入ったペットボトルとチャシロ。このペットボトルは猫避けなんだろうなあと思うとちょっと複雑な気分、だけど撮る。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 2ヵ月ほど前、iPhone 13 Proが発売されるとき、77mm相当の3倍望遠って猫を撮るのに最適! と書いておきながら、新しいiPhoneを持って外で猫と出会った話をしてないな、それはあまりに無責任じゃないか、と思ったのである。で、iPhoneで猫散歩した話。まあ散歩に限らずiPhoneはいつも持っているので、猫と出会った話だ。

 外で出会う猫はたいてい人を警戒してるので、よほど慣れてないと逃げちゃう。逃げる逃げない微妙な距離を担当するのが3倍望遠カメラだ。iPhone 13 Proをゲットした数日後のこと、ぶらぶらと歩いてたら、生活道路っぽい道ばたで近所のおばさまがふたり談笑してたのだが、そのふたりの間に猫がいたのである。

 「あ、猫だ」と近寄ると、このあたりの人気者なのだという。ご近所で愛されてるのは何より。「人なつこいのよ」というけど余所者がいきなり近づけるわけではなく、そっと3倍の望遠で撮る。

路上でのんびりとくつろいでた猫を少し遠くから。近所の人に可愛がられているらしい。2021年 9月 アップル iPhone 13 Pro

 こういうときほどよい望遠はありがたい。冒頭写真はぎりぎりまで近づいて望遠で。もし猫が乗らないようにペットボトルを置いてるのだとしたら、効果ないのでほかの手を考えるべきかと(飼い猫なら飼い主に室内飼いをお願いするとか)。次は駐車場にあっても車には飛び乗ったりしない猫。近所の人によると3匹いるそうだが、この日に見たのは1匹だけだった。

別の駐車場猫。こちらは車に乗ったりせず(見た限りは、だけど)、脇でじっと香箱座りしてた。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 しゃがんで構えて撮っても、猫が地べたにいるとどうしてもちょっと見下ろす感じになる。でも目の高さで撮りたいよねっこともある。iPhoneを持って這いつくばってもいいけど、あまり派手に動くと猫に警戒されちゃう。そんなときにオススメなのはiPhoneを逆さにもつ「縦位置片手逆さ撮り」。

 しゃがんでiPhoneを逆さに持って腕をぶらんと垂らすと、レンズが下に来るのでいい感じに猫の目の高さになるのだ。iPhoneは人差し指と小指で挟んで持ち、親指でシャッターを押す。これはすごく楽なんだけど、iPhone 13 Pro Maxだとボディーが大きいので片手でぶらぶら持つにはちょっとキツい。iPhone 13 miniだともっと楽。

 そんなスタイルで3倍の望遠で撮った低木の下でくつろぐミケ系のハチワレ。ちょっとびっくりした顔でカメラ目線してくれた。

ちょいと手を伸ばして片手逆さ撮りで奥の方で寝てたハチワレ。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 この猫、このあととことこと移動して民家のガレージへ。背景をはっきり入れたくないときはポートレートモードの出番。いい感じの背景がぼけてくれた。

顔にピントが合い、身体は徐々にボケ、背景は大きくぼける感じがなかなかそれっぽくていい。背景をはっきりいれたくないときにおすすめ。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 3xでも足りないときはデジタルズームの出番だ。これは6x(つまり3倍のカメラの2倍デジタルズーム)で撮ったもの。 塀の上かと思ったら、給湯器でありました。

塀の上にいる猫がいた、いやよく見ると給湯器。デジタルズームをかけるとちょっと不自然な絵になるのが残念。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 スマホカメラの課題のひとつは「デジタルズーム時のクオリティー」だと思う。AIなりなんなりを駆使して、デジタルズーム時の画質をどんどん自然なものにして欲しいなあと思うのである。まだまだ上げられるはず。

 で、iPhoneの望遠カメラは便利だけど、広角カメラに比べるとカメラ性能自体がちょっと劣るので暗所には弱い。暗い場所では無理に3倍ズームに頼らず、広角カメラを使うのが賢い。

 夕刻、日没前後くらい、いい感じの路地があったのでふらりと入ってみると、シャッターが閉まった店に向かって何やらしている2人と出会った。もしやと思って声をかけると、籠の中に猫がちょこんと座ってる。人に慣れてそうだったので一歩近づいてちょっと腕を伸ばして広角カメラで。薄暗くなったら広角カメラの出番だ。

猫のためにあるようないい感じの籠にちょこんと座ってた。耳がカットされてるので去勢済みだ。名前を聞くの忘れた。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 さらにこの建物の裏には猫のための寝場所が用意してあって、きれいな顔のキジトラがちょこんと収まってる。ブランケットをかけられておとなしく撫でられてる。「あたたかそうで良いですねえ」というと「実は下にはマットが敷いてあってその下にカイロが4つも置いてあるんですよ」と猫を愛でていたおじさまが教えてくれる。「それは贅沢!」「だってお嬢様ですから」。

 ここ、車も入ってこず、川跡がいきどまりになっている場所で人もあまりこない場所なので猫的にもちょうどいいのだ。

ぬくぬくな環境を作ってもらってるお嬢様キジトラ。2021年11月 アップル iPhone 13 Pro

 街の裏の裏に入り込むとこんな何気ない出会いがあって楽しいわけで、そんな場所で何気なく撮るには大仰なデジタル一眼ではなくやっぱスマホだなあと思うのである。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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