週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

重量189gのVRHMD「VIVE Flow」も参考出展!「危機管理産業展2021」のHTCブース取材レポ

2021年10月25日 13時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

 HTCは、10月20日から22日の3日間、東京ビックサイト青海展示棟にて開催された「危機管理産業展2021」に出展。防災などのVR体験デモを行なっていた他、先日発表したばかりの重量189gと軽量のVRヘッドマウントディスプレー(HMD)「VIVE Flow」を参考出展していた。

 体験できたVRコンテンツは6つ。歩行型VRデバイスの「KAT WALK mini S」を使ったVRシューティングは、軍人や警察が訓練用に使用するコンテンツで、同イベントに参加していた自衛隊の隊員の関心も高く、体験していったという。

VRシューティングの「VONTRACTORS」は、銃型のデバイスにVIVEのコントローラーを取り付け、VR空間内を移動して的を銃撃する。自衛隊員からは、銃の種類を変えたり、リアルな反動が欲しいといった要望があったとのこと

 その他、VR内でプレゼンテーションの練習ができる「Public Speech VR」や、バーチャル安全教育システムの「安全体験VRトレーニング」、VRカンファレンス「VIVE SYNC」、事故・災害対応訓練ソフトウェア「XVR」、火災現場からの避難を体験できた「防災訓練用VRシリーズ」といった、バリエーション豊かなVRコンテンツが体験できた。

株式会社理経が開発した「防災訓練用VRシリーズ」は、学校や自治体の防災教育などにも利用されているコンテンツ。同社が6月に発売した解像度が5Kの「VIVE Pro 2」を使って火災現場からの避難を体験。その他、水害や土砂災害なども体験できるという

筆者も体験したが、高解像度のリアルな火災現場で、誘導灯を頼りに脱出する。煙が充満しているという想定のため、腰を落として移動する。タイムリミット内にスムーズに脱出する必要がある

 株式会社リアリビズが開発した「XVR」は、消防の訓練が可能なコンテンツ。「VIVE Focus 3」を使ってPCとの無線接続で利用可能。複数の消防隊員が同時に接続でき、管理者側から火災の火元などのイベントを自由に実行できる。体験者は、赤外線サーモグラフィカメラを使用して火元を探し、ホースで水をかけて消化活動を行なう。

今回は倉庫火災現場を体験。コントローラー操作によるテレポートで倉庫内に移動し、火元を探して消火する体験ができた。この他、交通事故対応として、車内に取り残された要救助者の安全を確保する体験が行なえるという

 また、ブースの端では、LG製の透明なディスプレーにVTuberが時間に応じて登場し、同社の最新デバイス「VIVE Focus 3」の解説をするなどして盛り上げていた。

筆者が現場に訪れた時には、人懐っこいジャンガリアンハムスターの女の子「雲母ミミ」さんがブースを盛り上げていた

 そして、本ブースでは「VIVE Flow」も参考出展されていた。VIVE Flowは、単体でも動作する189gと超軽量のVRHMD。前面の2つのカメラでトラッキングし、ローンチ時には100以上のコンテンツが楽しめるという。

VIVE Flowは、上部に音量調整ボタンと電源ボタンがあるだけとシンプルな構造

 バッテリーをType-Cで取り付け、ポケットなどに入れて使用する。本体側にも予備のバッテリーがあり、万が一バッテリーが外れた場合も、突然電源が切れることがないようだ。

 アカウントへのログインや、操作はスマートフォンで行なう。また、スマートフォンでNetflixなどを起動し、シアターモードで楽しめるという。スマートフォンの映像がシアターモードで視聴できるといことは、リズムゲームのライブ映像などもVR内で楽しめそうだ。

フェイスカバーは、簡単に取り外しでき洗うこともできるという

レンズ部分は、ダイヤル式の視差調整が可能。視差調整は、かつてサムスンが販売していた「Gear VR」もできたが、左右が独立していて左右の目の視力に大きな差がある人では、調整が難しかった。しかし、VIVE Flowは左右別々に視差調整ができるという

バッテリーとはUSB Type-Cで接続

ヘッドバンド部は折り畳みができ、コンパクトに持ち運べそうだ

 VRはコンシューマーのコンテンツ提供の勢いが止まり、一部のユーザーがVTuber活動やVRChatで遊んでいるのが現状だが、今回同社ブースで体験したような危機管理やコミュニケーションの訓練に使われたりと、あらゆる法人の分野で活用されている。

 使用されていたデバイスは、同社が今年発売した「VIVE Pro 2」と「VIVE Focus 3」と、解像度が5Kの高性能モデル。そうしたデバイスは、ライトユーザー向きではなかったが、参考出展されていた「VIVE Flow」は、新幹線での長時間の移動中や自宅でくつろぎながらシアターモードで映画を楽しむといった、よりライト層に向けたデバイスになっている。

 VIVE Flowは、従来のVRHMDが課題としていた重量問題をかなりクリアしており、コンパクトで持ち運びもし易く、気軽に使えるデバイスとして今後注目していきたい。

●関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう