HTCは、10月20日から22日の3日間、東京ビックサイト青海展示棟にて開催された「危機管理産業展2021」に出展。防災などのVR体験デモを行なっていた他、先日発表したばかりの重量189gと軽量のVRヘッドマウントディスプレー(HMD)「VIVE Flow」を参考出展していた。
体験できたVRコンテンツは6つ。歩行型VRデバイスの「KAT WALK mini S」を使ったVRシューティングは、軍人や警察が訓練用に使用するコンテンツで、同イベントに参加していた自衛隊の隊員の関心も高く、体験していったという。
その他、VR内でプレゼンテーションの練習ができる「Public Speech VR」や、バーチャル安全教育システムの「安全体験VRトレーニング」、VRカンファレンス「VIVE SYNC」、事故・災害対応訓練ソフトウェア「XVR」、火災現場からの避難を体験できた「防災訓練用VRシリーズ」といった、バリエーション豊かなVRコンテンツが体験できた。
株式会社リアリビズが開発した「XVR」は、消防の訓練が可能なコンテンツ。「VIVE Focus 3」を使ってPCとの無線接続で利用可能。複数の消防隊員が同時に接続でき、管理者側から火災の火元などのイベントを自由に実行できる。体験者は、赤外線サーモグラフィカメラを使用して火元を探し、ホースで水をかけて消化活動を行なう。
また、ブースの端では、LG製の透明なディスプレーにVTuberが時間に応じて登場し、同社の最新デバイス「VIVE Focus 3」の解説をするなどして盛り上げていた。
そして、本ブースでは「VIVE Flow」も参考出展されていた。VIVE Flowは、単体でも動作する189gと超軽量のVRHMD。前面の2つのカメラでトラッキングし、ローンチ時には100以上のコンテンツが楽しめるという。
バッテリーをType-Cで取り付け、ポケットなどに入れて使用する。本体側にも予備のバッテリーがあり、万が一バッテリーが外れた場合も、突然電源が切れることがないようだ。
アカウントへのログインや、操作はスマートフォンで行なう。また、スマートフォンでNetflixなどを起動し、シアターモードで楽しめるという。スマートフォンの映像がシアターモードで視聴できるといことは、リズムゲームのライブ映像などもVR内で楽しめそうだ。
VRはコンシューマーのコンテンツ提供の勢いが止まり、一部のユーザーがVTuber活動やVRChatで遊んでいるのが現状だが、今回同社ブースで体験したような危機管理やコミュニケーションの訓練に使われたりと、あらゆる法人の分野で活用されている。
使用されていたデバイスは、同社が今年発売した「VIVE Pro 2」と「VIVE Focus 3」と、解像度が5Kの高性能モデル。そうしたデバイスは、ライトユーザー向きではなかったが、参考出展されていた「VIVE Flow」は、新幹線での長時間の移動中や自宅でくつろぎながらシアターモードで映画を楽しむといった、よりライト層に向けたデバイスになっている。
VIVE Flowは、従来のVRHMDが課題としていた重量問題をかなりクリアしており、コンパクトで持ち運びもし易く、気軽に使えるデバイスとして今後注目していきたい。
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