銃、スラブ、知識という3種の神器
興味深い点は、レアリティ―の概念があることだ。それぞれの武器には多彩なスキルが付与されており、レアリティ―が高いほど強くなるイメージだ。ある種ハクスラに近い。攻略に欠かせないスキルが豊富なので、強力な武器を求めてループを繰り返すことになるだろう。
また、ヴィジョナリーを暗殺すれば強力な武器とスラブ、トリンケットを入手できるため、ダンジョンのボスに挑むような感覚で楽しめる。どことなくローグライクの要素もあり、時間泥棒的な魅力があると感じた。
コルトのミッションをサポートするスラブもかなり強力だ。たとえば、指定したポイントに瞬間移動できる「シフト」や、リンクさせた複数人の敵をまとめて始末できるようになる「ネクサス」など、プレイスタイルに応じたスラブが登場するが、どのように活用するかはプレイヤー次第だ。最適解のスラブを見つけたり、自分なりのビルドを組み立てたりするのも実に面白い。
ものすごく余談だが、スラブを「左手に宿りし魔の力」と考えると中二心が疼いてしまうのは筆者だけだろうか……。
銃と超能力さえあればどうにかなるゲームも少なくないが、DEATHLOOPはその常識が一切通用しない例外といえる。3つ目の武器というべき"情報"がないと、完全に攻略することはできないからだ。そこで役立つのがタイムループだ。進行状況はリセットされてしまうが、探索で得た情報は消えない。ヴィジョナリーを暗殺するだけでなく、計画を達成するヒントを見つけることも大事なのだ。
各エリアを探索して有益な手がかりを見つける要素も魅力的だ。探索中に思わぬ発見があったり、サブイベントが発生したりとブラックリーフ島にちりばめられた秘密を解き明かしていく。筆者自身、暗殺を忘れて謎解きに時間を費やしていた。「ひょっとすると重大なヒントが隠されているのでは」という誘惑に駆られてしまうのだ。
進行度を示すフローチャートが更新されていくのを眺めるたびに、現実の仕事で得られるポジティブな感情が何度も芽生えた。それは、着手している仕事が何の滞りもなく進行している感覚に近いだろう。人によってどう感じるかは様々だが、筆者はそういう印象を受けた。とにかく、自分の足で手がかりを見つけ、コツコツと計画を組み立てたい人はドハマりするかもしれない。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります