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日本が舞台の豪華な総合エンターテイメント、直球勝負のシリアスストーリーに注目!

『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』は重く深いテーマに真正面から向き合う物語、それでもプレイが止まらないテンポ力や様々な要素もスゴイ

2021年10月23日 16時00分更新

『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』

 9月24日に、『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』が発売された。前作『JUDGE EYES:死神の遺言』から約3年、待望の続編発売となる。ジャンルは『リーガルサスペンスアクション』。木村 拓哉さん演じる主人公・八神隆之は、新宿神室町で活動する探偵。元弁護士という異色の経歴を持っている。

 今作では新宿・神室町だけではなく、『龍が如く7 光と闇の行方』で登場した舞台、横浜・伊勢佐木異人町でも活躍。陰謀渦巻く難事件に挑んでいく。アクションあり、謎解きあり、繁華街でのプレイスポットありと、コンテンツ盛りだくさんの作品になっている。

忖度一切なし。正義を問う直球勝負のシリアスストーリー

広がったフィールドで、前作からの仲間とともに難事件に挑む

 ネタバレに配慮したうえで、まずは強い熱量を感じたシナリオについて紹介したい。

 前作で知り合った八神の心強い仲間で技術オタクの「九十九(つくも)」、イケメンでパルクールを駆使する義賊「杉浦」の2人は、横浜で八神のように探偵ビジネスを始めていた。新参者の九十九に来たのは、ある学園の理事長からの「イジメ調査」依頼。九十九は神室町にいる八神と、元ヤクザの相棒・海藤を呼び寄せ、校内のイジメの実態を探るために調査を開始する。

 すると単なるイジメに留まらず、不穏な事実が次々と発覚していく。一方、八神の古巣である源田法律事務所では、痴漢事件の裁判を担当していた。ただの平凡な痴漢事件だったはずが、殺人事件との関連が判明。まったく無関係と思われた痴漢事件、イジメ、殺人事件に、巨大な陰謀が見え隠れしてくる……という導入だ。

生々しくリアルなイジメ描写。ご都合的な会話劇ではない

 前作は「認知症」「犠牲」が題材だったが、今作では「イジメ」「復讐」が題材になっている。いうまでもなく、重いテーマだ。これを真正面から扱っているのだから、もはや社会派の風格すらある。

 イジメの加害者と被害者が後腐れなく和解するような都合のよい展開や忖度はもちろんなく、イジメの現場は生々しいほどに描写される。観ていて辛いと思うことすらあるが、主人公たちは「義憤に燃える」という良識的な反応をしてくれることが、せめてもの救いだ。

イジメに立ち向かうスタンスは様々。ときに意見がすれ違うことも

 そしてイジメに立ち向かわんとする主人公たちですら、その方法論で対立してしまう。こうした「正義と正義のぶつかり合い」に多くの尺が割かれている。身近な不条理である「イジメ」に対する、キャスト・スタッフたちの熱量を感じずにはいられなかった。ネタバレを避けるため多くを語れないことが残念だが、是非プレイして確かめてほしい。

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