普通自動二輪の免許取得を目指すファッションモデルの新 唯(あらた ゆい、以下唯さん)さん。前回は初めてバイクに触れたものの、相次ぐ転倒、そして200kgという車体の引き起こしができずにすっかり意気消沈。当初の自信を失ってしまいました。はたして彼女はバイクを操ることができるのでしょうか? 今回は3時限目から5時限目の様子をご紹介したいと思います。
3時限目はハンコがもらえないと進めない!
1~2時限でバイクの基本的な操作を習得した唯さん。初回の印象をご両親にご報告したところ、お父様から「免許を取っても、俺が認めるまでバイクに乗るのは禁止と言われたんですよ」だとか。話によると新家は乗り物に関してはお父様が絶対的な権力を持っているそうで、クルマの運転も父親の前で運転をして、ようやく運転の許可が出たのだとか。「ということは、免許を取得したらお父様のバイクに乗って“パパの試験”をパスしないとダメなんですね」と尋ねる同行スタッフ。ですが「いま、バイクは手放してしまったんで……」というではありませんか。それって免許を取っても永遠にバイクに乗ることができないのでは? と、早くも免許取得後に予定している取材に暗雲が立ち込めております。お父様、安全には十分に配慮しますので、お嬢様のバイク取材を何卒ご許可いただけませんでしょうか。なにとぞご検討のほどお願い申し上げます。
3時限目は1、2時限目で習ったことがきちんとできるのか、という判定の時間です。つまりできないとハンコがもらえないというわけで「自信がありません。無理です」と既に弱気。前回はバイクの乗車とコースの外周を走行するというもの。最初は15km/h程度で周回しますが、次第にストレートでは3速30km/hまでスピードアップし、コーナー手前で15km/hまでスピードを落として2速にシフトダウンし旋回。その後、また30km/hまで加速を繰り返します。つまりメリハリのある運転ができるのか、というのがチェックされるポイントと言えそうです。
ですが、この日の教習は梅雨時期ということもあって雨(撮影は9月にしています)。教習は台風とか大雪でもない限り、実施するのです。ただでさえ自信がない上に「滑って転んだらどうしよう」と不安げな表情。指導員から「自信のある人は前へ、自信のない方は最後尾に」という指示のもと、唯さんは迷わず最後尾へ。本当に自信がないようです。
まずはバイクを乗車。ですが、唯さんは何故かバイクの近くで足をばたばた。挙句のはてにはバイクを倒しそうになります。なんとか持ちこたえて乗車し、ミラーを調整して準備完了。この足をバタバタさせていた理由は後ほど。
最初はおっかなびっくりの走行でしたが、慣れてきたのか、次第にスピードアップ。前の教習生の姿を追いながら自分のペースでしっかりと走ります。唯さんが通うレインボーモータースクール和光では、指導員が教習生の前後について走行する事はあまりなく、指導員が要所に立って指導します。ですから教習生は自分で考え、自分のペースで走行します。実際のバイク走行もひとりで走りますからね。理にかなっているといえるでしょう。
しばらくすると教習は終了。手押ししてバイクを元にあった場所へ戻します。この時ギアはニュートラルにするのですが、左足側にある変速レバーを左つま先で動かしながら1速と2速の間にあるニュートラルポジションに入れようとします。ですがなかなか難しい様子。慣れないうちは誰もがニュートラルにできないんですよね。
最後はバイクを手押しして指定の場所に駐車。200kgの車体を押して、唯さんはすでにヘトヘトです。すると指導員から「こっちにきて」との指示が。目の前にはクルマと1台のバイク。クルマの席に座ってというので着座すると「サイドミラーから後ろのバイクが見えますか?」との質問が。「見えません」と答える唯さん。「ということは、あの位置を走行するとクルマに認識してもらえないということですから、ここの位置で走ってはいけません」と、死角についての説明を受けます。今度はバイクに座って、クルマとの位置関係を確認して教習が終了しました。
3時限目を終えた唯さん。「スピードを出すとバイクは重さをあまり感じず楽しいですね」と、ちょっとだけバイクが好きになった様子。「私、スタンドって見ないで操作しないといけないと思っていたんですよ。そしたら指導員から“ちゃんとスタンドを見て操作して”と言われちゃいました。見ていいんですね」と、それまでカンでスタンド操作していたことが発覚。こうして無事、ハンコをもらえた唯さんは晴れて4時限目へステップアップすることができました。
誰もが一度は挫折を味わう4種目
4時限目と5時限目からは課題への挑戦が始まります。バイク教習を受けた方なら、誰もが一度は涙を流したであろう「坂道発進」「パイロンスラローム」「一本橋」「制動」の4種目です。レインボーモータースクール和光は、教習コースの外周に、これら課題を配置した「課題コース」が設けられており、教習生はここを何周もしながら技術を磨いていきます。
まずは指導員から、それぞれの課題について説明を受けます。まず制動は発進後に3速40km/hで走行。制動開始地点(パイロン)でブレーキングを開始し、11m先の停止限界位置までにバイクを停止できれば成功です(ちなみに雨で路面が濡れている場合は、停止限界位置が14mに伸びます)。この時、フロントブレーキだけで停まろうとすると、場合によっては前輪がロックして転倒(ジャックナイフ)になることがありますから、リアブレーキを踏まなければなりません。
停止動作をする際、ギアは3速のままでいいのですが、完全停止する直前にクラッチレバーを握らないとエンストしてしまいます。なるべく早い段階で40km/hに到達していた方が、アクセルを戻してブレーキングという操作に余裕が生まれて成功しやすいのです。一方、制動開始地点に来た時点で速度が40km/hに達していない場合、それ以上加速する余地はなく、速度未達もしくはブレーキングが遅れてラインオーバーしがちになります。
まずは速度や11mラインということは一旦忘れ、タイミングをつかむことから始まります。「コーンの手前からブレーキングしていますね」「もっと力強く加速しましょう」など、1回やる事に指導員からアドバイスを受けて再度挑戦を繰り返していきます。低い速度だと怖くはないそうですが、速度が上がると怖いと唯さん。何度も制動を繰り返していきます。
一本橋は、幅15㎝、長さ15メートルの鉄板の上を8秒以上かけて走行するもの。一般道といいますか、世の中にここまで細い橋はありませんが、この橋を渡ることでバイク操作におけるバランス感覚を養います。ギアは1速にして僅かにアクセルを開けたまま半クラッチ状態を維持。フロントブレーキは使わず、リアブレーキで速度をコントロールしながら渡りきります。もちろん橋から落ちたり、足を地面につけてはいけません。
最初は上手くいかなくて当たり前で、すぐに落ちてしまう唯さん。足を付くことなくサッサと諦めて横を走行します。指導員から「目線は遠くにして、太ももでバイクの燃料タンクをしっかり挟んで」というコツを教えてもらいながら、何度も挑戦しますが、なかなかうまくいきません。この日は3回中渡りきれたのは1回のみでした。
スラロームは、4.5m間隔に設置された5つのパイロンを、右に左に交互にかわしながら、素早く通り抜けるというもの。これもタイムがあり8秒以内にクリアしなければなりません。
まずは挑戦。速くクリアしようとして直線的に走行する唯さん。ですが、バイクがパイロンに接触したり、バイクコントロールが上手くいかず、転びそうになったり。指導員の方から「ギアは2速にして、大きく回った方がいいですね」「パイロンの手前でアクセルをすばやく戻し、パイロンではバイクを傾けて、パイロンを抜けたらアクセルを少し入れてバイクを立て直すといいです」とおっしゃるのですが、そう簡単にできるものではありません。こちらも3回挑戦して成功は1回のみ。
課題の最後は坂道発進。これは坂道の途中で一旦停止。ギアを1速にしてリアブレーキを踏んだまま半クラッチ。そしてリアブレーキをリリースし、クラッチを繋げます。坂の頂上に来たら2速に入れて、あとアクセルを戻してエンジンブレーキを使って坂を下りて行きます。これはクルマよりも簡単なようで、エンストすることなく完璧!
「めちゃくちゃ難しい」というのが唯さんの感想。「できる気がしない……」と言葉少な目です。さらに自信を失ったところで4時限目は終了。
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