NTTドコモは4日、5Gエリアの品質向上に向けた対策を10月中旬までに順次実施すると発表した。
ドコモの5Gネットワークでは、端末上で「5G」と表示されているとデータ通信がうまくできないケースが発生。「パケ止まり」「パケ詰まり」といった表現を用いたクチコミがネット上で多く見られる。
この原因として、主に4Gと5Gのエリアの密度の違いがあると考えられる。現状の5Gネットワークは「NSA」(ノンスタンドアローン)と呼ばれる方式で、制御信号は4Gで、データ通信は5Gと組み合わせた形で構成されている。しかし、4Gは多様な周波数でエリアの隅々まで電波が届くようになっているのに対し、5Gでは周波数の特性などもあって、エリア構築が4Gほどには進んでいないことがある。
その結果、4Gでは問題無く通信できるのに5Gエリアでは端となるような場所で5Gでの通信を継続しようすると、結果としてユーザーにとってはアンテナ表示はしっかり立っているのにデータが来ないという状況が発生する。
この状況に対し、ドコモでは「5Gエリアの積極的な拡大」と「ネットワーク装置のチューニング」の両面で対策を進めていく。
前者では来年3月までに5G基地局を2万局、人口カバー率55%の達成を目指し、エリアの端を減らす。
後者のチューニングについては、10月中旬までに装置の設定変更を2種類実施する。1つは5Gと4Gを最適に組み合わせるチューニング、もう1つは5G基地局配下の端末あたりに割り当てる周波数帯域を最適化するチューニングとのこと。このチューニングを済ませたエリアでは5Gの接続率が約10%、4Gと5Gを組み合わせた環境での5Gに流れるデータ量が約30%、それぞれ改善したとしている。
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