高負荷時にRTX 3080 Tiの性能が光る
それでは実際にベンチマークでパフォーマンスを検証していこう。まずはCPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を測る「CINEBENCH R20」および「CINEBENCH R23」の結果から。
CINEBENCH R20のスコアーはマルチで5316pts、シングルで609pts。CINEBENCH R23のスコアーはマルチで12945pts、シングルで1591ptsとなった。
PG-DD9に標準搭載されるCore i9-11900は第11世代Coreプロセッサーの8コア/16スレッドモデルだ。第11世代Coreはゲームパフォーマンスに重要なシングルスレッドの性能向上が謳われている。参考までに、前世代Core i9-10900KのCINEBENCH R20シングルスコアーがおよそ530~540pts程度なので、13%ほどの性能向上が確認できたことになる。
次にPC全体の性能を測る「PCMark 10」の結果を見ていこう。総合スコアーは8150で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が10667。表計算や文書作成といったオフィスソフト性能を測る「Productivity」が10652。写真編集や動画編集などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が12927という結果になった。
参考までに、同じ第11世代の下位CPU「Core i7-11700」と、同じ「Ti」を冠するGPU「GeForce RTX 3070 Ti」を搭載した、ちょうど一回りほど下のクラスのPCで以前に測ったスコアーと比較すると、そちらは統合スコアーが7912、Essentialsが10875、Productivityが10419、DCCが11864というものだった。いずれのスコアーも僅差だが、GPU性能が強く影響するDCCでは有意な差が開いている。これがRTX 3080 Tiの効果と言えるだろう。
3Dグラフィックスの性能を測る定番ベンチマーク、「3DMark」でのパフォーマンス計測も行なった。
DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD解像度(1920×1080ドット)のFire Strike無印が29556、4K解像度(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが11906という結果になった。
DirectX 12のテストを行なう「Time Spy」では、WQHD解像度(2560×1440ドット)のTime Spy無印が16801、4K解像度のTime Spy Extremeが8261という結果に。Direct X Raytracing(DXR)のテスト、「Port Royal」のスコアーは12440だった。
参考までに、こちらもCore i7-11700+RTX 3070 Ti搭載PCとのスコアー差を比較してみたところ、Fire Strikeで約13%、Fire Strike Ultraで約30%、Time Spyで約24%、Time Spy Extremeで約21%、Port Royalで約42%というスコアーの伸びを確認できた。WQHD解像度以上で2~3割の伸びがあり、特に重たい処理の加わるレイトレーシングでは4割以上の違いが見られ、ハイエンド構成ならではの強さを見せた。
続いて、ストレージの速度を測る「CrystalDiskMark 8.0.4」で、搭載されているM.2 NVMe SSDの速度を測ってみた。試用機に搭載されていたM.2 NVMe SSDはCrucialのコストパフォーマンスモデル「CT1000P2SSD8」で容量は1TBだ。
テストの結果は、シーケンシャルリードが2415MB/s、シーケンシャルライトが1937MB/sとなっている。PCI Express 3.0のM.2 NVMe SSDとしては標準的な速度だ。
第11世代CoreとIntel Z590チップセットの組み合わせならばPCI Express 4.0接続のM.2 NVMe SSDを期待してしまうが、PCI Express 4.0の速度は動画など巨大ファイルのコピーなどで本領を発揮し、ゲーム中のロードなどでは殆ど体感できないのが現状だ。それでいてPCI Express 4.0接続のM.2 NVMe SSDはまだまだ高価。ゲームを目的とするのであれば価格を重視したM.2 NVMe SSD選びがコストパフォーマンスに優れていると言えるだろう。
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