教職員のリテラシー不足が課題、研修の充実化が必須
次に、教職員に関する課題を尋ねたところ、教職員の約6割は「リテラシーの高い特定の教職員に業務負担が偏ること」、約5割が「担当教科でのICTの効果的な活用方法がわからないこと」、そして「教職員向けのICT環境が整備されていないこと」への懸念を約4割が示している。
教職員のリテラシーに関しては8割近くの保護者が心配をしているが、当事者である教職員は自分たちのリテラシーに一定の不安を抱えてはいるものの、それ以上に業務の負担が大きいことや、教員・学校のICT環境が整っていないことに対する懸念を強く示している。
教職員のほとんどは学生時代にリテラシー教育を受けていない世代であるため、改善にはICT研修の充実と、教職員向けICT環境の整備が必須だ。ただし、教職員の負担が大きくなり過ぎるきらいがあるので、ICT支援員を配置することも必要となりそうだ。
また保護者からは、学校全体の教育方針や連絡手段がデジタル化されておらず、未だ電話や紙ベースだとの指摘が目立った。そのほか重い端末の持ち帰りが児童の負担になること、逆に持ち帰りが許可されていない学校では持ち帰り許可を求める声もあった。また全体に見られる傾向として、学校内でのネットワーク速度への不満、家庭でのネットワーク格差に関する言及が多い。
GIGAスクール構想での「1人1台端末環境の実現」については、小中学校は無料配布されているが、高校以上は対象外となっている。アンケートでも高校生では「使っていない」という回答も多く、金銭的な負担が障壁となっているようだ。小中学校での学びを高校の段階で止めないためにもなんらかの改善が必要だろう。
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