2021年後半のPC市場で最大のトピックといえば、マイクロソフトの新OS「Windows 11」の登場が挙げられるだろう。Windows 10ユーザーにも無償アップグレードが提供されるということもあって、リリースを心待ちにしている人も多いのでは? もっとも動作要件が従来より厳しくなるため、今使っているPCをアップデートすべきかどうか悩んでいるという人も少なくないはずだ。
そんな折、パナソニックからレッツノートの2021年秋冬モデルが発表された。OSにWindows 11 Proを採用しているだけでなく、その注目機能を目いっぱい活用できる性能や特徴を備えているのが大きな魅力。ビジネスシーンでなくてはならないOfficeスイートも「Office Home&Business 2021」に刷新され、一部モデルにプリインストールされている。
今回は、そのラインアップのうち、テレワークで使いやすいアスペクト比3:2の14型ディスプレイを搭載する「FVシリーズ」をベースに、Windows 11とレッツノートの親和性の高さを紹介していこう。
インテル® Evo™ プラットフォーム対応で使い勝手が向上したFVシリーズ
新しいレッツノートFVシリーズのうち、店頭モデルには「インテル® Evo™ プラットフォーム」に準拠し、その認証を受けた「インテル® Evo™ マーク」付きのモデルが用意されている。インテル® Evo™ プラットフォームというのは快適にノートPCを使うための指標としてインテルが提唱しているもので、CPUやグラフィックスはもとより、Wi-Fiやバッテリー駆動時間など多岐にわたる項目で高度な技術水準を満たしている必要がある。たとえば次のような要件だ。
インテル® Evo™ プラットフォームのおもな要件
・第11世代インテル® Core™ プロセッサーを搭載
・インテル® Iris® Xe グラフィックスを搭載
・極小ベゼルのディスプレイによって快適な視聴体験を実現
・Wi-Fi 6に対応
・フルHD以上の解像度を持つディスプレイ
・9時間以上持続するバッテリー
・スリープ状態から1秒以内に起動
・Thunderbolt™ 4テクノロジーに対応
単に一定以上の性能を持っていればOKというわけではなく、インテルとの共同開発を通じて「卓越したノートブック PC 体験を実現できる製品」と認められていることがポイント。現状のノートPC選びにおいては非常に信頼性の高い指標といえるだろう。
FVシリーズは、これに加えて放熱設計とCPUの電力制御のコンボで冷却効率を高め、高負荷時でもCPU性能を最大限に引き出せるように設計した「Maxperformer」という技術も搭載されている。そのため重量級アプリをガンガン使っても動作がもっさりしにくい。さらにWindows 11のタッチ操作に対する親和性の高さを生かすため、指3本や4本でのジェスチャーに対応したタッチパネルも装備しており、より直感的で快適な使い心地を実現している。
Evo準拠レッツノートFVシリーズのパフォーマンスは?
インテル® Evo™ プラットフォーム準拠やMaxperformerがすごいのは分かったけれど、Windows 11 Pro上での実際の性能も気になる!という人は少なくないだろう。そこで、ベンチマークテスト「CINEBENCH R23」を使ってそのパフォーマンスを計測してみた。
今回試用した「CF-FV1KDPCR」の主なスペックは次の通りとなっている。
試用機の主なスペック | |
---|---|
品番 | CF-FV1KDPCR |
本体カラー | ブラック |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | インテル® Core™ i7-1165G7 プロセッサー (インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー2.0利用時は最大4.70GHz) |
グラフィック | インテル® Iris® Xe グラフィックス(CPUに内蔵) |
メインメモリー | 16GB(拡張スロットなし) |
ストレージ | SSD512GB(PCIe) |
ディスプレー | 14.0型(3:2)QHD TFTカラー液晶(2160×1440ドット) 静電容量式マルチタッチパネル、アンチリフレクション保護フィルム付き |
LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T |
ワイヤレスLAN | インテル® Wi-Fi 6 AX201 IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠 (5GHzチャンネル帯:W52/W53/W56) WPA3、WPA2-AES/TKIP対応、Wi-Fi準拠 |
Bluetooth | Bluetooth v5.1 |
セキュリティ | 顔認証対応カメラ / 指紋センサー(タッチ式) |
インターフェース | USB3.1 Type-Cポート×2 (Thunderbolt™ 4対応、USB Power Delivery対応)、 USB3.0 Type-Aポート×3、LANコネクター(RJ-45)、アナログRGB、 HDMI出力端子、SDメモリーカードスロット、ヘッドセットミニジャック |
カメラ (マイク) |
顔認証対応カメラ、有効画素数 最大1920×1080ピクセル、 アレイマイク搭載 |
サイズ | 幅308.6 mm×奥行235.3 mm×高さ18.5 mm(突起部を除く) |
結果を見ると、マルチコアが5575pts、シングルコアが1485ptsというスコアに。これは同じインテル® Core™ i7-1165G7を搭載した他機種と比べても高めの数値で、CPUの持てる性能が十分に引き出されているのが分かる。
ちなみに、ノートPCによっては「CINEBENCH」を連続で実行するとスコアがガッツリ落ちてしまうことがある。これはCPUの温度が上がりすぎないようにパフォーマンスが抑えられるため。しかしFVシリーズの場合は間を置かずに続けて実行してもスコアはほとんど変化しなかった。これを見てもFVシリーズの熱設計が優れていると分かる。
なお「CINEBENCH R23」は最近リリースされたバージョンのため、古いノートPCのスコアがあまり世に出ていない。なかには「数年前のCPUと比べてどれくらい進化しているんだろう?」と疑問に思う人もいるだろう。そこで14型ディスプレイと第5世代インテル® Core™ i7 5600U、Windows 8.1 Proを搭載した6年ほど前の機種「レッツノートLXシリーズ」でもテストしてみたところ、マルチコアが1677pts、シングルコアが691ptsというスコアになった。FVシリーズは、それと比べてマルチコアで3倍以上、シングルコアで2倍以上となっており、ここ数年で飛躍的に性能がアップしていることが分かる。
念のため、Officeスイートや写真編集などの実際のアプリを使った際のパフォーマンスが分かる「PCMARK10」をFVシリーズで実行してみたところ、次のようになった。
「PCMARK 10」スコア | |
---|---|
総合スコア | 4968 |
Essentials | 9779 |
Productivity | 6504 |
Digital Content Creation | 5233 |
快適さの目安は、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブ系アプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上となっているが、そのいずれも大きく上回っている。日常的な用途からクリエイティブ系の負荷の高い用途まで快適に行える性能を持っていることがわかる。
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