米シスコは9月9日(米国時間)、2040年までにすべてのスコープ(範囲)における温室効果ガス(GHG)実質排出量ゼロの達成を目指すと発表した。
ネットゼロ目標の達成をサポートするために、2025年までにスコープ1とスコープ2の全体的な排出量でのネットゼロ達成を含めて、短期目標も設定する。その他の短期目標は、販売した製品の使用やサプライチェーンからの排出など、シスコにとって重要なスコープ3のカテゴリーを対象としており、2021年中に発表する予定。
今回、「革新的な製品設計による製品のエネルギー効率の継続的な向上」「再生可能エネルギーの利用促進」「ハイブリッドワークの導入」「脱炭素ソリューションへの投資」「事業全体へのサスティナビリティや循環経済に関する原則のさらなる浸透」の5つの戦略でネットゼロの実現に取り組む。
同社は2008年から5ヵ年計画でスコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、達成してきた。2022年度までにスコープ1および2の排出量を60%削減する(2007年度比)という現在の目標は達成に向けて順調に進んでいるという。
さらに、世界数ヵ国ですでに再生可能エネルギー100%を達成しており、2022年度までにシスコが全世界で使用する電力の85%以上を再生可能エネルギーによる発電でまかなうという目標の達成に向けた取り組みを進めている。
スコープ3の排出量については、海上輸送の拡大、製品パッケージの再設計、委託製造パートナーにおけるエネルギー管理の導入などさまざまな対策を講じることで、サプライチェーンにおいて100万トンのCO2排出量を削減するという目標を、1年前倒しして2019年に達成。その後、2030年度までにサプライチェーン関連のスコープ3の温室効果ガス排出量30%削減(2019年度比)という新たな目標を設定している。
製品、パッケージ再利用や修理、資源効率向上のために、2025年までにすべての新製品の設計にサーキュラーデザイン(循環型設計)の考え方を組み込むことを目標に掲げている。さらに、製品のサービス、回収、再利用プログラムについて、2018年の世界経済フォーラムの年次総会でCEOのチャック・ロビンス氏が「PACE Capital Equipment Coalition」の一環として公約した100%の製品回収をサポートしている。
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