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Xperia初のeSIM対応機「Xperia 10 III Lite」は5Gミドルクラスの激戦区を生き残れるのか?

2021年09月03日 12時00分更新

カメラは超広角と望遠のある便利な3眼構成

 カメラは超広角、広角、望遠の3つ。35mmフィルム換算の焦点距離はそれぞれ16mm、27mm、54mmとなる。超広角カメラの便利さはかなり浸透してきたが、Xperia 10 III Liteには望遠もある。スマートフォンに必要なのは超広角か望遠かという議論もあるが、どちらかひとつよりも両方搭載していることが便利だ。

カメラは3つ。いずれも撮影用のカメラで上から超広角、広角、望遠と続き、ライトのLEDは3つのカメラの少し上にある

 望遠は35mm換算では54mmなので、遠くのものを見るというよりは昔の一眼レフカメラの標準レンズのように、あまり周囲を写し込まずに写真が撮れる、という理解がいいだろう。たとえば相手の顔写真を撮るような場合、今までは近づくか、デジタルズームでトリミングする必要があったが、望遠があれば適度な距離で顔のアップが撮影できる。

35mmフィルム換算で16mmの超広角で撮影

同じ位置で広角の27mm(換算値)で撮影

さらに同じ位置で望遠の54mm(換算値)で撮影

 カメラ自体の写りの性能だが、プレミアムおまかせオートで撮ればはっきりくっきりという写りではあるものの、カメラ性能を強調した機種に比べるとほんのわずかに解像感などが劣る印象。極端な色補正などをしないナチュラルな写り、という言い方もできるが、はっきりくっきりの分かりやすい写真の機種と比べると少し違う写りとなる。

雨天で周囲は薄暗い状態でミニトマトを撮影。実際にはかなり暗いせいか、カメラアプリは明るめに補正、少し白っぽく写っている

LEDのスタンドで照らしたワンボードマイコン類。ライトが反射するほど白飛びした部分もある中央の基板がある一方ので右の基板は暗めに写るという自然な写り

 とはいえ、カメラの性能は十分で、細かいところの描写も十分に再現される。光量が十分でない場所でも、よほど暗くない限り、十分な写りとなっている。何よりも、超広角、広角、望遠の3眼構成は撮るほうも便利と言うしかない。

5GとeSIMに対応して、2つのSIMの同時利用が可能

 通常のXperia 10 IIIになくて、Xperia 10 III LiteにあるのはeSIM対応と2枚めにeSIMを使ったDSDV対応。ここ数ヵ月でLINEMOやY!mobile、povoなどでeSIMの対応が進み、もともと対応していた楽天モバイルなどもあって、活用の場が広がっている。

SIMスロットは短いタイプで表側にSIMを1枚装着

SIMスロットの裏面にはmicroSDカードを装着できる

 実際にY!mobileのeSIMを導入してみたが、きちんと認識して使えている。eSIMの登録の際、何度か本体の再起動をしない電話番号が入らないという手順に複雑なところはあるものの、特にY!mobileは再起動も含めてきちんと案内があるため、手順どおりに進めれば問題なし。

 具体的には「ネットワークとインターネット」からモバイルネットワークの横の「+」をタッチしてQRコードを読み取っていくことになるが、QRコードは通信事業者が提供するもなので、本体操作よりも通信事業者の操作方法に依存する。

eSIMは設定の「ネットワークとインターネット」からモバイルネットワークの横の「+」をタッチして、下のeSIMのダウンロードを選ぶ

カメラが起動してeSIMのQRコードを読み取って本体に取り込む

 また、Xperia 10 III Liteは5Gに対応しているので、5G対応のSIMを挿入すれば5G通信が可能になる。ただ、対応バンドは77と78なので、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天のいずれにも対応するが、ドコモの場合はn79に対応しないと数百Mbpsという速度が出ないことがある。

DSDVで2つのSIMを待ち受けていて、片方は5Gとなる

 今回は自分の移動範囲の関係で、5Gはドコモと楽天しか試せなかったが、ドコモネットワークでは他のn79非対応機と同様の速度が出て、楽天も5Gで接続できた。

【まとめ】Xperia初のeSIM搭載が気になる
カスタマイズされていなAndroidが好きな人に

 人気の5万円前後でほぼ全部入りというところに飛び込んできた、Xperia 10 III Lite。昔ながらのXperiaらしい特徴はあまりないが、それでも全体のすっきりとしたデザインと、最近少ない四隅まできっちり表示される広い画面は他にないものだ。

 性能については、プロセッサーがライバル機よりもワンランク下ということもあるが、通常利用においては特に劣っているという印象はない。ただし、カメラ性能は好き嫌いもあるものの、同じ価格帯でももう少しはっきりと写る機種もあることと、Xperiaのなかでは上位機種というわけでもないので、過度の期待はしないほうがよいだろう。

 モバイル機は頻繁に持ち歩く機器だけに、すっきりとした外見も性能も魅力のひとつ。さらに、あまりカスタマイズされていないAndroidが好みというのなら、Xperia 10 III Liteはかなり良い選択肢と言えるだろう。

  Xperia 10 III Lite
メーカー ソニー
ディスプレー 6型有機EL(21:9)
画面解像度 1080×2520ドット
サイズ 約68×154×8.3mm
重量 約169g
CPU Snapdragon 690
メモリー 6GB
ストレージ 64GB
OS Android 11
5G対応周波数 Sub 6
SIM シングル+eSIM
カメラ アウト:約1220万画素(標準)
+約800万画素(超広角)
+約1800万画素(望遠)
/イン:約800万画素
バッテリー容量 4500mAh
FeliCa/NFC ○/○
ワンセグ/フルセグ ×/×
防水/防塵 ○/○(IPX5,8/IP6X)
生体認証 ○(指紋)
FMラジオ ×
USB端子 Type-C
カラバリ ブルー、ホワイト、ブラック、ピンク
 

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