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Xperia初のeSIM対応機「Xperia 10 III Lite」は5Gミドルクラスの激戦区を生き残れるのか?

2021年09月03日 12時00分更新

Xperia 10 III Lite

 ソニーから「Xperia 10 III Lite」が登場した。今、5万円前後で、かなり“使える”魅力的なスペックのSIMフリースマートフォンが続々登場しているところに飛び込んできた、老舗ブランドの「Xperia」だけに注目している人も多いことだろう。すでにドコモ、au、Y!mobileからはLiteのつかない「Xperia 10 III」が登場しているが、Xperia 10 III Liteはその仕様変更版となる。

5万円前後の激戦区に飛び込んできたXperia

 現在、5万円前後のSIMフリー機は激戦区と言っていいだろう。「OPPO Reno5 A」と「Xiaomi Mi 11 Lite 5G」が特に有名で、発売時期が近く、比較記事もたくさん組まれるほど。どちらも5Gとおサイフケータイ(FeliCa)に対応し、2枚のSIMの同時利用のDSDVにも対応、メモリーが6GBと大きめでミドルレンジでも少し上のスペックを持ち、機能面でも性能面でも満足できるスマートフォンとなっている。

Xperia 10 III Liteの箱は、iPhoneや海外SIMフリー機のような硬い箱ではなく、厚紙で構成された質素なもの

 その2機種よりも少し価格帯は上になるが、GoogleからPixel 5a (5G)が5万1700円で登場。そして、今回紹介するXperia 10 III Liteも同価格帯となる。この2機種は5G、FeliCa対応、6GBメモリーは前述の2機種と同じだが、物理SIMは1枚しか挿入できないものの、eSIMによってもう1回線が使え、DSDVが可能になっている。

中はポリ袋1枚に本体が入っている。本体画面にはフィルムなどは貼っていないので、必要なら別途用意する必要がある

 そして、Liteの付かないXperia 10 IIIとの違いはというと、Liteというからスペックダウンかと思いきや、ストレージが128GBから64GBに減らされたものの、Liteでは新たにeSIMに対応してDSDVを実現している。DSDV対応はスペックアップと捉えることもできる。ほかにはFMラジオの省略もあるが、この影響はほぼないだろう。

簡単な説明の紙と保証書が入っているのみ。イヤホン、ケーブル、充電器などは一切付属していない

 しかも、Liteの付かないドコモ、au、Y!mobileの販売分は基本的にはそれぞれの事業者が使用する周波数帯だけサポートしているため、異なるネットワークで利用するとエリアや通信速度の面で不利になる。だが、Xperia 10 III LiteはLTEの800~900MHz帯は3キャリアすべてに対応していて異なるネットワークに乗り換えても使いやすい。ただし、5G対応という面ではドコモだけ使っているバンド「n79」はドコモ向けのXperia 10 IIIだけ対応するので、Xperia 10 III Liteではドコモの5Gをフル活用しにくいのも事実。

 なお、Liteの付かないXperia 10 IIIや、Google Pixel 5a (5G)や、OPPO Reno5 A、Xiaomi Mi 11 Lite 5Gのいずれも5Gのミリ波には非対応だ。

左側面にSIMカードスロットがあるのみ。スロットは爪で引き出せるので工具不要

ボタンは右側面に集中。指紋センサーもこちらに

下側にはUSB Type-Cの充電端子とマイク穴

上側にはイヤホンジャックがある

コンパクトでバランスよい性能

 まず、全体的な性能を見ていこう、まず、サイズは幅約68mm×高さ約154mm×厚み約8.3mm。ディスプレーは6.0型で他よりも少し小さく、全体的にもかなりコンパクト。特に横幅が68mmと小さいことで持ちやすいと感じる。重さは169gで、最近の200gクラスのスマートフォンのようなずっしり感はない。

 ディスプレーは有機Eで、解像度は2580×1080ドット、アスペクト比は21:9と細長い。ノッチもなければカメラのホールもない長方形。しかも、四隅はかなり角ばっていて、表示範囲という意味ではすっきり広いという印象を受ける。

ノッチもパンチホールもない液晶画面。四隅もほとんど丸くなっていない

背面にはカメラがある。中央はNFCのマークだが、おサイフケータイも対応している

 ボディーカラーは販売チャネルごとに異なっており、楽天モバイルからはブラック/ホワイト/ブルー/ピンクの4色が供給されるが、IIJmio、mineo、GooSimSeller(OCNモバイルOne)、nuroモバイルではブラック とホワイトの2色となる。現時点ではキャリア以外での販売は行なわれていない。

 カメラは3眼で超広角、広角、望遠すべてが撮影用。有効画素数は広角のみ約1200万画素で、背面の他の2つとインカメラは約800万画素となっている。

 プロセッサーはQualcomm Snapdragon 690 5G。メモリーは6GBでストレージは64GB、さらにmicroSDカードスロットには最大1TBのmicroSDカードが挿入できる。プロセッサーは他のライバル機が700番台のSnapdragonを採用していることに比べると少し劣るが、通常動作の素早さについては6GBメモリーが効いているのか特段遅い印象はない。

 ちなみにベンチマークをとってみると、Geekbench 5でシングルコアが586、マルチコアで1589、Google PlayからインストールできなくなってしまったAnTuTu Benchmarkでは30万3699と、他のライバル機の搭載するプロセッサーと比べると一歩劣ってしまう点は仕方ないだろう。

Geekbench 5のスコア

AnTuTu Benchmarkのスコア

 また、ライバル機とともに電池容量が比較的大きめな点もこのクラスの特徴。Xperia 10 III Liteは4500mAhの充電池を搭載しているが、大きめの電池を活かして、充電池を満充電にせずに電池寿命を延ばすモードが付いているのもXperia 10 III Liteの特徴。末永く使いたい人は、最初から「いたわり充電」を選んでおくとよいだろう。

設定のバッテリーの項目では、電池の設定がある

いたわり充電をオンにすると満充電をあまりしないようにして、電池の寿命を延ばすモードがある

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