第145回
SUVとは違うのだよ! Jeep「ラングラー アンリミテッド ルビコン」は街乗りもいける本格クロカン
女性モデルに登場してもらうことが多いASCII.jpのクルマ取材。その取材時「次にどんなクルマに乗ってみたい?」と尋ねることが多いのですが、その際に出てくる言葉は、決まってドイツ御三家に次いで「Jeep」なのです。その言葉を聞くたびに「なんでJeepなの?」と首をかしげる担当編集のスピーディー末岡と筆者。そこで今回から「貴方の夢を叶える代わりに、我々にJeepの魅力を教えてください」という企画をスタートする事と相成りました。第1回は、NDロードスター乗りのモデルである新 唯さんに、最もJeep色の濃い1台「ラングラー アンリミテッド ルビコン」に触れてもらい、試乗レビューと魅力を伝えてもらいました。
Jeepの魅力は大きくて荷物が載るところ
そして最高の悪路走破性
「Jeepの魅力ですか? カッコイイし大きいし、荷物が載るところ」と笑顔で語る唯さん。え、理由それだけ? とスタッフは目がテンです。「普段は車高の低いスポーツカーに乗っているので、大きくて実用的なクルマに憧れちゃうんですよ」と言葉を続けますが、(それってJeepでなくてもよくない?)と我々の心の声がダダ洩れしそうになります。ですが「無骨な感じに頼もしさを覚えますし、なにより個性的。独特の世界観を感じませんか? そこに魅力を感じてJeepってイイナと思うんです」と唯さんは力説します。
ですが唯さんはクルマを見るや「メッチャカッコイイ!」と大喜び。「このフロントグリルがイイんですよ。あとフェンダーが出っ張っているのも最高!」という一言にスタッフはホッと胸をなでおろしました。ここでラングラー アンリミテッド ルビコンについて、少しご説明しましょう。
Jeepが誕生したのは1941年のこと。当時は第二次世界大戦の真っただ中で、ドイツ軍のポーランド侵攻で小型軍用車両が活躍したことに着目したアメリカ陸軍需品科が「四輪駆動、3人乗り、660ポンド(≒300kg)積み、可倒式フロントガラス付、ホイールベース75インチ(191cm/後に80インチに伸長)で85lb⋅ft (115N⋅m)以上のエンジンで駆動」という設計要件により生まれました。高い耐久性と悪路における優れた走行性能によりJeepは各地で大活躍、終戦に貢献しました。その後はライセンス生産され、現在ステランティス N.V.のブランドとして、クライスラーが米国で製造しています。
Jeepブランドは現在チェロキーをはじめ数多くのラインアップを有していますが、ラングラーはその中でも縦格子のフロントグリルやオーバーフェンダーといったスタイリングや高い走行性能を有しており、「先祖のDNAを最も色濃く残すモデル」として人気を集めています。
今回ご紹介するアンリミテッド ルビコンは、ラングラーモデルの中でも最上位に位置づけられる1台。アンリミテッドとはホイールベースを伸長し、後席用ドアを設けたモデルに与えられる名称で、3ドアモデルもラインアップにはあります。そしてルビコンは、世界一過酷と言われる米国ネバダ州からシエラネバダ山脈を越えてカリフォルニア州のタホ湖に至る険しい花崗岩の道「ルビコントレイル」から名付けられているとのこと。このルビコントレイル、ぜひ画像検索をしてもらいたいのですが、道とは名ばかりの、ただの岩山。とても道と言える代物ではありません。
そんな「道無き道」を行くための仕様ゆえ、タイヤはゴツゴツしたブロックパターンが目を惹くBFグッドリッチのマッドテレーンを装着。ほかのラングラーモデルが、普通のオールテレーンタイヤであることからも、このモデルの特殊性がうかがえます。ちなみに車体助手席側にTRAIL RATED 4×4というバッジがあるのですが、ルビコン仕様だけ特別なものが与えられているようです。
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